The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
うーん。犯人を知っているのだとしても、証拠が不十分だ。
少し近づけたと思ったんだけど。
「なんだあれ。カンジ悪いんだゾ」
「あれはお前の言い方も悪いんだって、あんな言い方じゃ誰でもムッとくるでしょ」
「エースのいう通りだよ。いくら人間社会に慣れてないとはいえ、獣の世界にも上下の関係ってものはあるでしょ?こっちは初対面でいきなり話しかけるんだからもっと下手にでないと」
あの上からの話しかけ方は流石にまずいでしょ。今度、この辺をしっかりさせておかないと駄目だね。
「かーっ!人間ってのは話しかけ方ひとつで面倒くさいんだゾ!!」
「…多分、ないかぁ」
「?ユウ…どうかしたか?」
「ん、いや。さっきのジャックくんの言葉が気になってて…」
狙われないというのは相手にとってジャックくんが選手として出れないと何か不都合があると知っている?
普通なら今まで通り優秀な選手候補で狙われるだろうけど、もしジャックくんが怪我をしたら困る。そんな人が相手だと考えたとしたら…
ここから早めに立ち去った方がいいかもしれないな。
こちらが動いていることがバレる前に。
「ケイト先輩、一度寮に……!!」
「おい、お前ら。ここで何をしている」
突然の第三者の声に振り向いて、自信の表情が引きつったのが自分でもわかった。
これまた面倒な人たちに絡まれたぁ…。
なんの動物の獣人なのかわからないが、サバナクロー寮生だと一目瞭然の筋骨隆々な体つきの三人組が寮から出てきてこちらを明らかに睨んでいる。
「ハーツラビュル寮のやつらじゃん」
「赤いお坊ちゃまのお取り巻きかぁ~」
サバナクロー寮生はこちらを見ながらニヤニヤと笑っている。もう何度も経験しているこのパターン。嫌な予感しかしないんだが?
「俺たちの縄張りにずかずかと踏み込んでおいて、無事に帰れるとは思ってねぇだろうなァ?」
「う、これは…」
「もう帰るんで!お邪魔しました~~!」
ケイト先輩が私たちを隠すように外へ誘導しようとしてくれているのが、横目に見えてゆっくり後ろに下がる。これ以上話がややこしくなるのは避けたい。何より…事件のことがあるいま、私たちがこの寮はあまり長く滞在はよくない。
しかし、向こうもそう簡単に返すわけない。
「おいおい。何帰ろうとしてるんだ?魔力なしの新入生?」