The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
それに私の場合、周りの親しい男性が父親だけだったからなぁ。
そもそもの扱いが、娘に対してのものだし。
「こういう風に気遣ってもらえるのは嬉しいんですが、私の場合前の世界じゃこんなことはありえなかったので気恥ずかしさと申し訳なさで上手く反応でできないんですよねぇ」
エースとデュースまで女だと知ってから教室に入るときとか先にドアを開けて入りやすくしてくれるし、荷物持ってるとさりげなく荷物を奪われる。きっとお国柄なのだろう。
海外でのレディファーストな文化は経験してこなかったので戸惑うばかりだ。
「へぇ。監督生ちゃんの世界ってリドルくんみたいな人少ないの?」
「そうですねーもしかしたらいるのかもしれないですが、少なくとも私の周りにはいなかったですよ。私の国だと昔は男尊女卑の考えがあって、今はだいぶ少数派だと思いますが、女性は男性の数歩後ろに下がって従うものだというのが残っているのかもしれませんね」
私の言葉に驚いたようにきいていて、事情を聴くとどうやらお国柄ではなく世界柄らしい。そもそもこのツイステットワンダーランドの住人の考えだと女性は大切にするものって考えで特に子供が生まれにくい獣人や人魚、妖精族などがその考えを強く持っているらしい。なんだか、サバナクローの様子を知っているとなんだか意外だ。
そう考えると怖いものじゃなくて実は可愛い人たちなのではと思えてきた。
それを口にすると信じられないという目で見られたが。
「……#NAME1#ちゃんって割と強かだよね」
「割と、じゃなくてあいつは結構強かですよ」
協力させるためならこっちを脅してくるしというぼやきがはっきりと聞こえて、何か?とにっこり笑うと男性陣は揃って首を振るので思わず笑ってしまった。
***
鏡舎の鏡から今度はサバナクロー寮へとつながる鏡に入ると乾燥した風が吹き抜ける。
すごいまさにテレビで見るような乾いた大地に所々少し枯れた草があってサバンナ地方って感じ。
んー?でも、何だろう。この肌で感じるこの空気…初めてのはずなのに変な既視感。
最近、こういうの多い気がする。
「おおー。なんかワイルドって感じなんだゾ」
「確かにねーうちの寮とは全然違うよな」
「うわっ!あそこのでけー骨いったい何の骨なんだゾ?」
寮自体が岩と一緒に自然と一体化してるというか。