The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
「ん?あぁ、もう五時か。ハートの女王の法律・第345条『午後五時以降は庭でクロッケーをしてはならない』
ボクはいったん寮へ戻るよ。目を離すとルール違反をする奴がいるからね」
「ちったぁ、丸くなったと思ったのに相変わらずだゾ」
呆れたようにグリムは言うが、そりゃ簡単に人の本質が変わるわけない。グリムがいつまでたっても食いしん坊なのが変わらないのと一緒だ。
ムッと口を尖らせてこれでも自分の中では大分緩くしているとリドル先輩が不満そうな顔で言う。
「まーまー。前よりかなーり緩くなったよね。真面目なところもリドルくんのいいところだよ」
「そうですね…リドル先輩は真面目で既に優秀なのに努力を怠ったりしないし、クラスメイトからフラミンゴやハリネズミをとても大切にしているという話を聞いてすごく優しいところとか先輩のいいところですよね。人の本質はそう簡単に変えることはできませんし、無理に変える必要はないと思いますよ」
「!……ふふ、ありがとう。ユウ」
パチパチと目を瞬かせ、ふわりと笑いかけてくれる。さっきとのギャップが凄い……。
きゅうんと胸がなった気がして、胸元を掴む。先輩はずるくて…可愛いけど格好いい人だ。
「んー?あれは絶対二人きりになったときになにかあったと思うんだけどなー」
「何かってなんですか?ダイヤモンド先輩」
「お子ちゃまなデュースには多分わかんねーと思うぜ」
「は??!」
今にも喧嘩を始めそうな二人をケイトは宥めながら妙に雰囲気がこの短時間で変わったような後輩二人とその横で眉を寄せる後輩の姿を見比べて一人で納得して頷いた。
「ふーん。なるほどなるほど…」
「何がなるほどなんだい?ボクは寮に戻るから。ケイト、後は任せたよ。それと、#NAME1#」
「は、はい?」
「サバナクロー寮は少し、いやだいぶ治安が悪い。なるべくケイトやエースたちに離れないようにするんだよ」
リドル先輩はおわかりかな?と念を押すように言うと、足早に鏡舎の方向へ向かって行った。
「なにあれ。寮長、こいつに随分と甘くない?」
「でも、監督生ちゃんはこの学園ではたった一人の女の子なわけだし、心配するリドルくんの気持ちもわかるかな」
気持ちは嬉しいけど、ここは男子校なわけでいつか他の生徒に不審に思われそうで複雑だ。