The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
顔色を伺いながらだったけど、話し始めた私の言葉を先輩は相槌を打ちながら聞いてくれた。
「リドル先輩、あれは事故だったのに私ずっと先輩の顔を見ると恥ずかしくて逃げ出したくなってしまって……」
「うん」
「先輩はずっと私と話そうしてくれていたのに」
そうだよ。先輩は話そうと今の状況を変えようと動いていたのに私は全部に目を背け、耳を塞ぎ、先輩のことを見ようともしていなかった。久しぶりにリドル先輩の目をしっかり見た気がする。
先輩はやっぱり変わらず、泣きたくなるくらい優しく目を細めていて私の言葉を受け止めようと静かに聞いてくれているように思えた。
「…ごめんなさい。避けてしまって、その…すぐにいつも通りに話せるようになるのは難しいけど頑張ります。だからまた一緒に話したり、勉強を教えてもらったり、時間があったらお茶を飲みながら甘いものも食べたい、です」
ダメですか?
小さく情けないくらい震えた声は空気に溶けるように消えた。
ぐるぐると頭の中で嫌いにならないでという幼い声が響く。前よりすぐに倒れなくなった体はそれでも他人の足を引っ張るから。
いつまでたっても私は臆病なまま。
やっぱり離れたほうが…なんて考えが頭に浮かび始めてしまうんだ。
「ダメじゃないよ。ボクはね、キミが思っている以上にキミのことを気に入っているんだよ。それにね、そんな簡単に手放すほどボクは優しい存在じゃないよ」
「へ?」
優しい表情から少し意地悪なニヤリとした表情へと変わった。
「ボクだって今よりもっと話したいと思ってる。他の人じゃダメなんだ。ボクのこと完全に否定することはなく、諭そうとしてくれた。トレイやエースの声も響いたけど、キミは最初に会ったときボクを寮長、じゃなくてリドルとして見てくれた」
先輩が私の髪を一束とって囁くように言った言葉に頬が熱くなる。
___だからボクにとってキミは特別なんだ。
特別?私が?
「避けられているのは悲しかったのは確かに悲しかったけれど…あんなことがあれば仕方ないさ。だから避けられたくらいで嫌いにはならないよ。もう、そんな泣きそうな顔をするのはおよしよ」
「…泣いてません」
「おや?そうなのかい?
…キミに事故とはいえあんなことが起こってボクは嫌われたんじゃないかってずっと不安だったんだ」