The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
それじゃあ!とケイト先輩はこれ以上話し込んでいると時間が無くなると判断して、話を切って私たちを談話室の部屋の外に促した。
また会おうとこの学園らしからぬ笑顔が返ってきてびっくりしたけど、底知れない先輩だと感じた。
とはいえしばらく会う機会はないでしょうけど。
「オレ様を放置するんじゃないんだゾ」
「ご、ごめんね?ついつい会ったことある人がいて話し込んじゃった。でも、あのルーク・ハント先輩?でしたっけ。あの人は多分狙われないと思いますよ」
「なんでだ?」
「あの人、初対面の私たちのこと談話室に入った時からじっと見てて明るく話しているように見せかけて隙が全くないように感じたんですよ」
まぁ勘違いかもしれませんがと付け足す。
それに見た目がキラキラしてて見ただけだとそこまで強そうには見えないし、恐らくは狙わないと思う。
そっかとケイト先輩は頷くとにっこり笑って次に行こうかと私たちに告げた。
***
次に移動した先は学園内の中庭。
この学校にはそこかしこにリンゴの木が植えられていてここも見事なリンゴの実が実ってる、
なんでも校果らしい。
そんな中庭には立ち話をする二人がいた。
今まで会った先輩たちの中でダントツに背が高くてターコイズブルーの髪色は遠くからでもよく目立つ。あの人が次のターゲット候補かな。
「次はオクタヴィネル寮の二年。ジェイド&フロイド・リーチ兄弟に要注意。連携攻撃が強力で対戦相手が手を焼いていたと情報アリ」
「というかなんで隠れるんですか?」
「そうだゾ?普通に聞きにいけばいいんだゾ」
確かに身長高くて威圧感はあるけど。
あーでも、片方の子は歯がギザギザなのが覗いててパクッとやられたらめちゃくちゃ痛そうだ。
それにしてもあの髪色どこかで見かけたような気がする。どこだっけ?あそこまで鮮やかな色な色だし、結構目立つはずだけど。
「全く同じ顔があるな…もしかして双子か?」
「ヒョロヒョロしてるけどノッポで強そうだゾ」
「じゃあ、あの二人をマークしますか?」
「うーん。僕なら彼らを狙うのは最後にするよ」
特にフロイドの方には近づきたくないと苦虫を噛み潰した様な苦い顔で彼らを睨みつけている。何かあるのだろうかと疑問に思ったけど、それを口に出す前に相手がこそこそ様子を見ていた私たちを見つけて近寄ってきた。