The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
「オレら、そこまで子どもじゃないんで大丈夫でーす」
「おや?そうなのかい?」
「そうそう、大体迷子になるのはコイツだし」
エースに指をさされてムッとしたが、あんなに何度も迷子になっておいて違うとは言えない。
けど、ポムフィオーレ寮か。多分前に会ったベストが紫の人も同じ寮だよね。あれから話してはいないけど。
「ふふ。…他の寮かー。でも、グリムと私はつい最近スカラビアには入ったことあったよね」
「そういえばそうなんだゾ。ジャミルってやつが作った飯はめちゃくちゃ美味かったんだゾ!!!」
オレ様、またあれが食べられるなら手伝うのもやぶさかじゃないとグリムに相変わらず食い気ばかりかとエースが呆れながら突っ込んだ。
「確かにジャミルが作る食事はとても美味しいよ。たまにカリムが寮で開く宴に誘ってくれるけど、そこで出る食事は全てジャミルが監修してると聞いて驚いたね」
「へぇ。あの先輩、ダンス以外にもそんな特技があったんすねぇ」
「あれ?エースくん、ジャミルくんがダンスが趣味なの知ってるの?」
「オレ、バスケ部に入ったんすけど確かそんな名前の先輩がいたってだけで今のところはあんま喋ったことないですけどねー」
思わぬところで先輩との関わりを知ることができて驚きながら鏡舎へと向かった。
***
美しい孔雀で彩られた鏡を通る。
今だにこのふわりと胃が浮くような感覚には慣れないが。
光に包まれ、目を開けるとまるで中世ヨーロッパにあったお城のような佇まいの寮が姿を現す。
「ひぇー、凄い豪華だ」
「うちの寮とは全然雰囲気が違うな…」
「これを見た後でオレ様たちの寮に行くとなんだか悲しくなってくるんだゾ」
言わないで……あれでも学園長やゴーストに頼んで少しずつだけどうちの寮も変わってきてるんだから。…悲しくなってくるのは確かだけどね!
キミたち、あんまりお喋りをしていると置いていってしまうよというリドル先輩の声に慌てて寮の敷地内に足を踏み入れた。
途中でチラチラと寮生たちが見ているのは感じだけど、他寮の寮長と一緒にいるからか特に止められもしない。
………先輩たちが協力してくれて本当に助かったなぁ。
どこも廊下でさえ煌びやかで装飾も凄い。引っ掛けたりしたら怖いから気をつけながら着いていくとそこは談話室。シャンデリアもキラキラと眩しくて、
思わず目を細めた。