The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
「そっかー、グリちゃんたちがただお見舞いに来るわけないと思ったー」
「えぇ……確かに何か聞き出せないかとは思いましたけど、私は純粋にトレイ先輩が心配できたんですよ?」
失礼ですねと頬を膨らませて見せる。
エースたちと違ってちゃんと見舞い目的できましたと来ましたとも。
例え聞き込みのために来たとしても普通にトレイ先輩の様子が心配だったというのもちゃんとあるのだ。
「ごめんって、ユウちゃん!拗ねない拗ねない」
「別に拗ねてはないです」
「全く。ケイト、彼女をからかうのはやめないか。……しかし、学園長がそんなことを言っていたとは。
ボクも何か変だと思ってケイトに情報を集めて貰っていたんだよ」
「……じゃあ、やっぱりこれって」
「あぁ。故意に選手候補を狙った犯行と見ていいだろうね」
「マジカルシフト大会でライバルを減らすために事故らせてるって、こと?」
いよいよ、大変なことに巻き込まれているのかもという実感を持ってきた…
「世界中が注目される大会だ。試合での活躍は将来のキャリアにつながる。
手段を選ばないやつがいるのも不思議ではないよ。ボクはあの時、足をかけられたり背中を押されたりはされてない。ただ……なんというか身体が、勝手に動いたような……そんな感覚があったよ」
「勝手に……他に聞き込みをした生徒もほとんど同じことを言っていました。恐らくは魔法を使って犯行に及んでいるのだろうとは思うのですが、いかんせん魔法が使えないのでどんな魔法なのかまでは検討がつかなくて」
個人的には一瞬だけ相手の意識を奪って無意識の行動に見せかけるとか、はたまた身体の自由を奪うとか?
本当に存在する魔法かどうかは別として予想はしたけどそんな魔法、恐らくユニーク魔法を持っていることを知られたら不利になるのは間違いないし、
リドル先輩のように日常的に使う魔法じゃない限り犯人を突き止めるのは難しい。
せめて使ってる時を偶然見ることができたらアタリもつけられただろうに。
「けど、不思議だねぇ。風で押されたりはしてないんでしょ?」
「衝撃で落ちたわけではないね」
「うーん。どういうことなんだろう…授業中に怪我をした生徒もいたみたいだし」
顎に手を当てて考え込むケイト先輩に少し疑問に思っていたことが口から溢れ落ちる。