The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
それだいぶ重傷じゃないですか?!っというぎょっとしたデュースの声に頷く。怪我をした足は痛々しい状態だ。
トレイ先輩はマジフト大会は見学になりそうで残念だと笑っているが、なんとも思ってないわけがないだろう。
エースに注意されたけれど、何で自分は肝心なところで役に立てないのだろうと思うしかない。
思い出せたらなんて…今更考えても意味ないのにね。
「お前もそんなに思い詰めた顔するな。ユウ」
「もう、泣きそうな顔しないの!」
「……かすり傷だったら渡すのやめようと思ってたけど…はい、これ見舞いのツナ缶。
元気出すんだゾ。眼鏡」
「ちょ。グリム!」
流石に失礼すぎる呼び方に口の端が引き攣った。
眼鏡ってそれもはやトレイ先輩の本体が眼鏡って言ってるようなものでは。せめて名前で呼んで欲しい、私の心理的に。
「ははっ!ありがとな」
「それにしても主力選手のトレイくんがいないのしんどいし、まーた選手選びし直さなきゃ」
「!!選手選び?」
パッと顔をわかりやすく明るくしたエースとデュース。
なるほどやっぱりそれ狙いで見舞いに来たのね。
思わず半目になって呆れていると部屋のドアをノックする音が響く。ガチャリと音を立てて開いた先に見えた姿にドクリと心臓が耳元でなる。
「おや、なんだいキミたち。
怪我人の部屋にどやどやと集まって」
「寮長!」
「ふな゛っ!怒りんぼリドル!」
「怒りんぼって……別にキミたちがルール違反をしないなら怒らないさ」
ムスッとした顔をして部屋に入るリドル先輩に思わず目を逸らしてしまう。少し悲しそうな顔しているのが見えて、胸が痛くなった。
うぅ……すみません。
まだ心の整理がつかないんです。
リドル先輩はそのままトレイ先輩に近づくと眉を寄せた。
「トレイ、具合はどう?なにか食べたいものや飲みたいものはある?」
「そんなに心配しなくても大丈夫だって何度も言ってるだろ?」
「いや、でも……その怪我はボクのせいで…」
「どういうことですか?」
リドル先輩のせい?
そうだとしても悪いのは事故を起こそうとした犯人さんなのでは?
「用事があって昼休みに三年生の教室が行ったんだ。その時だよ……」
「昼休み……?」
「?そうだよ」
「私、ついさっきケイト先輩に案内されて寮に来た時はそんなこと何も……」
言いかけてぎゅっと口を結ぶ。
