The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
「んで、トレイ先輩の見舞いに行くか?」
「もちろん!エースとデュースも来る?」
「あぁ。クローバー先輩の怪我の具合も気になるからな」
「オレも特にやることないし、行こうかな。監督生とゲームやりに来たけどいないんじゃできないし」
そのまま私たちはハーツラビュル寮に急いで向かうことになる。
いつもお菓子を作ってくれるトレイ先輩にグリムは割と懐いてるのか、お見舞いに自分の大好物のツナ缶を持っていくって言ったときは驚いたけど。
トレイ先輩まで怪我をするとは思っていなかった。ついさっき、ハーツラビュルに尋ねた時はケイト先輩とリドル先輩はいつも通りだったから私が寮から出た後の時間に起こった事故。
しっかりしてるトレイ先輩がうっかりで転んだとは考えにくいし……。とにかく話を聞いてみるしかない。
***
エースとデュースに連れられてトレイ先輩の部屋に早速訪れた。初めてトレイ先輩の部屋に入ったけれど、全体的にシンプルで大人っぽい。
男の人の部屋に入ったのは初めてだから不思議な感覚だ。
「失礼しまーす」
「トレイ先輩…お加減はいかがですか?」
「あれ?エーデュースコンビじゃーん!それにグリちゃんにユウちゃんまで勢揃いじゃん」
「ど、どもっす……ってケイト先輩。そのエーデュースって」
「え?二人も名前の最後にスがついてるからまとめてみただけ」
なるほど。エーデュース。言われてみれば語呂もいいし、なかなかいい名前。流石センスのいいケイト先輩。そう思って素直に先輩に伝えるとそうかな?とにっこりと笑顔が返ってきた。
「横着しないでくださいっ!」
「お前は誰の味方なわけー?」
「えー、中立かな。先輩も大事だけど、エースとデュース、グリムも私にとって大事な友達だよ」
なんて言ったって初めてできた友達だもん。
ふにゃりと笑う姿にエースとデュースがカチンと固まる。オレ様も子分好きなんだゾとピュンと腕に乗ってきて、えへへと一緒に笑った。
「…ユウちゃんって罪な子だねぇ」
「ケイト先輩?」
「んーなんでもなーい!」
「……ったく。それよりトレイ先輩の怪我っねどんなカンジっすか?」
「あぁ。階段から足を踏み外したんだ。受け身を取り損ねて右足を派手にやっちまった。しばらくは松葉杖生活だな」
眉を下げて怪我をした右足に手を置く様子にぎゅっと手を握りしめた。