The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
「オレ様たち、今忙しいから遊んでやってる暇はねーんだゾ」
「忙しい?宿題終わんねーの?なら教えてやろーか?」
「いや、実はね……?」
エースに学園長からの依頼とそれからいろんな人に聞き込みに行ったことを話した。それでケイト先輩の連絡先知らないかって聞いてきたのかとエースは一人で納得する。
「でも、話を聞いてる限りみんなおっちょこちょいか、大会前で浮かれてるだけなんじゃねーかって思ってきたんだゾ」
「ふーん。いつの間にか面倒なことに巻き込まれてんねー。まぁ、オレらの手が必要なら言えよ?
「どーせ、エースも大会に出たいからリドル先輩の目に留まるように手伝うってだけなんじゃ」
「お!あったりー、監督生さっすが!!」
「全く……」
そんなあからさまにいいこと思いついたって顔してれば分かるよ、親切で言ったわけじゃないってことはね!
にやりと笑うエースに苦笑していると外が妙に騒がしいことに気づく。バタバタと慌てたような足音はオンボロ寮の玄関の扉をバタンと開けた。
息を切らして現れたのはデュースで額に汗が滲んでいる。
「デュース?どうしたの、汗だくだよ」
「エース!大変だ!!」
「ん?なんだよ、そんなに慌てたって奢らないぞ?」
「今はそんな場合じゃない!クローバー先輩が階段から落ちて怪我をしたって!!」
「ふな゛っ!?あの食えない眼鏡のトレイも!?」
突然の知らせに私たちは目を見張った。
嘘…トレイ先輩まで怪我をするなんて……。
こんな時に限って私の記憶は機能しない。
ぎゅっと手を握りしめた。
まさか知り合いが怪我をするなんて思っていなかった。覚えていたらもしかしたら…なんて。
するりと握りしめた手を解いたのはエースだった。
赤くなってしまった手のひらを指でなぞられて、気恥ずかしいし、くすぐったい。
デュースが横で顔を赤くしてるのが横目に見えて、更に羞恥心を煽った。
「こーら。気持ちはわかるけど、手が傷つくだろー?」
「あ…うん」
「デュース、こんなことで顔赤くするとか初心すぎね?」
「う、うるさい!!」
そーいうところがデュースは可愛いからデュースはこのままでいいと思うよ。