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The end of the story 【ツイステ】

第2章 encounterボーイズ




私の反応が予想外だったのか唖然とエースは固まっていた。
そんなに変かな。この石像たちはみんな怖そうな顔で確かにカッコいいかもしれない。どちらかと言うと可愛らしい見た目をしているグリムにはかっこよさでは勝てないと思うだけだ。

「オマエ、変わったやつだな……。入学式の時でも思ったけど。闇の鏡に選ばれたのに魔法が使えないやつと呼ばれてもいないのに乱入してきたモンスターが雑用係になったって聞いて、グレートセブンのことも知らないなんてどんだけお子ちゃまかよってわざわざからかいに来てやったのに」
「にゃにおおお……!」

面白くなさそうに話すエースの余計な一言にグリムがかちんと来たのかまた炎を吐く寸前といった所か。
抱き上げておかないと逃げ出してしまいそうでぎゅっと抱きしめてエースから一歩離れた。脇を持つと逃げようともがくので両腕で押さえておかないとダメだ。私の力じゃすぐに逃げ出されてしまう。

「な、何するんだゾ!ユウ!離すんゾ!」
「グリム、別に怒る必要ないよ。エースくん?だっけ?私はそもそも魔法が使えないというより魔法が存在しない異世界から来たわけだし、グリムはそもそもモンスターだからグレートセブン?だっけ、そのことについて知らなくても当然だと思うけど……違うかな?」

学費とかお金払ってないのに滞在させてもらってる分、こうやって絡まれることは覚悟していた。
有無を言わせないようににっこりと笑う。これ以上グリムを煽らないで欲しい。この子、我慢という文字が頭にないのですぐに喧嘩を買っちゃうんだから。
エースはそれは…と悔しげに顔を顰めて口籠もる。

気づくと周りにちらほらと人が出てきた。そろそろ授業が始まるのかな。エースとの会話を切り上げてそろそろメインストリートの掃除を始めなきゃ。
本当にこのメインストリートは広いからこの調子で行くと購買に行く時間がなくなってしまう。
いまだに服を買いに行けないからまだ動きにくい式典服のまま。この服、金の刺繍がおしゃれだけど掃除するにはちょっと動きづらいし、周りの皆は制服を着ているせいですごく目立つ。
さっきからチラチラ見られているせいで落ち着かないんだよね。
こんな目立つところで喧嘩したら学園長に怒られちゃうよ。

そうしたら一体学園長がどんな罰を与えるか分かったもんじゃない。
こっちはお世話になっている身だし。



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