The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
きっと息ぴったりなコンビになれるね、これ。
ボケとツッコミがちゃんと成立してるし。
微笑ましく仲のいい先輩方を眺めながらメモを取ったものを改めて見てるとやっぱり不思議だな。今のところ全部人の目のあるところで起こってる。
最初に聞いたハーツラビュル生の場合、起こったのが放課後。聞き込みをしてその時近くにいた生徒を絞り込めればいいけど。大体は協力してくれないだろうし、難しい…。
「ふむふむ、なるほど」
「ご協力ありがとうございます。お大事になさってくださいね」
なんとかこれで二つ目の聞き込みに終わりだね。それからは名簿に載ってる人の教室を当たってどうにか話を聞きだした。話を聞かせてくれず、そのまま立ち去ったり、寮で今日は休んでるという生徒も多くて聞き込みは困難だったが今日の放課後集められた情報としてはまずまずの結果だ。
オンボロ寮に戻りながら内容を整理すると授業で起こった事故が少なくて放課後帰ってる途中や部活の最中だったり。放課後の場合、みんな授業終わってるから手を出しやすいのだろう。
犯人を絞り込むには……実際に事故が起こった授業を片っ端から先生に聞いて回ろうかな。グリムは嫌がるだろうけど、第三者からの意見も欲しい。
「なんかもうおっちょこちょいで怪我しただけに思えてきたんだゾ」
「……確かにこれらの事故は人の目があるところで起きてる。何かしら魔法を使ったとしたらすぐに怪しまれるよね。それから体が勝手に動いたって揃って証言してるのが私は気になるかな」
「そうかー?」
身体が勝手に…反射で無意識に動いてしまったってことはあり得る。でも、こんなに沢山の人が無意識によって事故が起こったとは考えにくい。
グリムの言う通りおっちょこちょいの可能性もあるけど。……こういう時魔法の知識が少ないと調査しづらい。
ふと寮の呼び鈴が鳴った。
誰だろう…?
オンボロ寮に来るなんて、エースたちか学園長しか思い当たらないけど。
グリムと顔を見合わせて玄関のドアを開けた。
立っていたのは予想通りエース。
「おーっす」
「?どうかしたの」
「いや、ここで遊ぼうと思ってさ。ほら、ゲーム持ってきた」
片手には確かにこの前話してたゲーム。来るのはいいけど、突然訪問するんじゃなくてあらかじめ言っておいて欲しいなぁ。
グリムはじとりと呆れたような目をエースに向けた。