The end of the story 【ツイステ】
第10章 Research and アクシデント
流石の機動不審具合にグリムも首を傾げる。
「オマエ、最近様子が変だけどどうしたんだゾ?」
「それは……その」
言えない……何よりリドル先輩をよく知る先輩の前では特に。
「んー、なんか困ってるみたいだったから話を切って出てきちゃったけど。これで正解だったみたいだね」
どもる私の様子にケイト先輩は苦笑していた。
申し訳ない……
「うぅ。ご迷惑をおかけしてすみません」
「大丈夫だけど、最近リドルくんのこと避けてるよね?何かあった?喧嘩でもしちゃった?」
「喧嘩じゃないんですが……ちょっと気まずくて」
それ以上は何もいえなくて視線を宙に彷徨わせる。
不審に思われるのは分かっていたことだけど、顔見知りの先輩にこんな相談するのも気恥ずかしくて。
「……そっか。無理に聞き出そうとはしないけど、こういうのは早めにちゃんと話した方がいいよ」
「はい…」
「一度拗れちゃうとヨリを戻すのって大変だからね!リドルくん、最近監督生ちゃんが声かけてくれないから寂しそうだったし」
ぽんっと私の頭に手を置くと優しく撫で始めるケイト先輩に驚き、目線を上げると先輩と目が合った。
何故だか先輩たちは私の頭撫でたがるんだよねぇ。
決して乱暴に撫でるわけじゃないから妙にくすぐったくて頭が沸騰しそうになるけど、嫌じゃない。
むしろ心にポッと蝋燭の火が灯ったような温かい気持ちになる。目を細めてその手を受け続けてるとクスクスと笑う声が聞こえてきた。
「そうやって目を細めてると猫みたい。トレイくんもユウちゃんの頭撫でるの好きみたいだけど、確かにこれは癖になるなぁ」
「…そんなにですか?」
「さらさらで凄く触り心地いいよ」
「私はヘアアレンジするとき手から逃げやすくて嫌なんですがね…」
長すぎると邪魔になるので元々言うほど長くはない。そのせいで結ぼうとすると手から髪がすり抜けてしまい、今ではヘアアレンジといっても体力育成のために軽く下の方で結んでる。
髪の長さで言うならジャミル先輩はあんなに髪が長いのに綺麗に手入れしてるんだもん。凄いよなぁ。
ふとグリムがそういえばと顔を上げる。