• テキストサイズ

The end of the story 【ツイステ】

第10章 Research and アクシデント




分からないか………本人たちにも理解し難いことが起こったってことだろうか。
うーん、まだこれだけじゃ状況証拠は集まらないけど……。

「あぁ、その時はこいつとマジフト大会の話をしながら階段を降りてて気づいたら階段から落ちてたというか」
「躓いたとか滑ったとかそういうカンジじゃなかったよな?」
「そうだな…身体が勝手にふわっと前に出たっていうか………ちょっと上手く説明できねーけど」
「ふむふむ、なるほどなんだゾ」

簡単にメモにまとめてみるが、少し身体が勝手にってところが気になるなぁ。本人たちもマジフトの選手になることはすごく喜ばしいことのはずできっと重大な怪我は選ばれるまで避けるはず。
受け身を取ればもう少し衝撃を軽くすることはできたと思うけど……やっぱりここが気になるな。

「あの、階段から落ちたとき風に押されたとか……魔法を使われたとかそういう可能性はありますか?」
「…いや、あの時風で押されて前に出た感じはなかったよな」
「うん、そうだったら一緒にいた自分も気づいていたと思う。魔法を使われたかどうかは……こいつがいきなり落ちてびっくりしてそこまでは分からなかったな」
「……そうですか。ご協力ありがとうございました、お大事になさってください」

ぺこりと頭を下げると申し訳なさそうに気を遣ってくれてありがとうと優しい声が降ってきた。ここがNRCなだけに少し驚く。マジフト大会は将来にも響く大会だと聞いた。きっと大会に出れなくなって悔しいだろうに後輩の前だからと気にさせないようにしたのかな。
なら私は何も聞かず、気づかなかったふりをして笑ってみせるだけだ。深入りするのは余計に気を遣わせてしまいそうだ。

「よし、次に行こうか。グリム」
「わかったんだゾ!次はポムフィオーレのやつだよな」
「うん、まだいるか分からないけど教室に行ってみようか」
「話は大丈夫そうかな?それじゃ、部屋を出よっか?お大事にね」
「あ、はい!ありがとうございます」

部屋の外に出る時、一瞬だけど怪我をした先輩が悲しそうな顔をしていたのが気になった。そうだよね、悔しいよね。折角のチャンスをもしかしたら犯人のせいで棒にすることになったんだもん……
じっとパタリと閉まった寮生の部屋の扉を見ていると後ろから大きな手が私の目を塞いだ。

ぎょっとするが、こんなことができるのは一人しかいない。

/ 324ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp