The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「その通りですよ。まだ誰も重傷者が出てないので私たち教師ではそこまで大々的に調査は行えませんから。……怪我人がマジフトの選抜選手ばかりなので不審だと思ったのですが、こちらからは動けなくて」
それで私たちに頼んだのかー。誰かが意図的にやった事件だとしても証拠も何もないから本人たちの不注意で済んでしまうと。
学園長はどうやらマジフト大会のことを喋らないつもりでいるようだが、まぁどうせグリムが大会に出してくれってうるさくなるからだろうけど。
「あぁ、あと学園長はなんの大会なのかぼかしたいようですが、副寮長のジャミル先輩から今日の寮長会議の内容聞いてるので無駄ですよ」
「そうだゾ!オレ様たちも大会に出せー!」
「えぇ……そんな面倒くさ…いえ。オンボロ寮は寮生足りないですし、当日は大会準備を手伝ってもらいますよ」
「嫌なんだゾ!!雑用なんて!!オレ様もテレビに出てキャーキャー言われたいんだゾ!!」
「……私は正直魔法使えないですし出なくてもいいんですがね」
騒ぐグリムに対して小さく呟いた。攻撃も守備も魔法って…じゃあ魔法の使えない私はフィールド内で犬のように走り回ることしかできない。それに走るって言ったって数分でバテる私はお荷物にしかならないので。
「なるほど…この調査に協力してくれるならとっておきのご褒美も用意してあるのですが、残念ですねぇ」
「その手には乗らねーんだゾ!ツナ缶百缶積まれたってやらねーゾ!!」
「えっ、あのグリムがツナ缶に釣られないなんて……成長したね……」
「オマエ……それはそれで失礼なんだゾ」
何故?食べ物で釣られなくなったなんてグリムが成長できた証でしょ?
きょとんと首を傾げるとグリムのなんとも言えない表情がこちらをみていた。
「ほーんとにやらないですか?事件解決の暁には君たちの寮にマジカルシフト大会の出場枠を用意して差し上げようと思ったのに……いやぁ残念です……この話はなかったことに…」
「えええっ!!?」
「それ、本気ですか?出場枠を貰ったって人数足りないでしょう?どこから借りてくるんです?それに寮対抗だって聞きましたよ。相手の選手は?私そもそも魔法使えないんですが、出ても大丈夫なんです?」
「まぁまぁ、残りの補填の選手はマジカルなミラクルでどうにか探し出しますよぉ。で、どうします?」
どう考えても本気とは思えない。