The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「よくわからないけど落ち着くんだゾ!」
「だって!!グリム、タダより怖いものってないんだよ?!」
「流石にそんなこと学生に要求しませんよ!!!?貴方の中で私どんだけ性格悪いんですか!??」
まさかの認識にいくら弁論をしても、普段の行動を知っているグリムは痛いものを見る目で学園長を見つめる。学生にってまさか学生じゃなかったらやらせるのかという目だ。
学園長はこほんと咳払いをするが、全く誤魔化せてはいない。
若干混沌と化した空間を割くように苦笑いしたゴーストさんが口を挟む。ひとまず話だけでも聞いたらどうかとのことだ。
「でも……」
「こんな奴でも教育者なんだ。お嬢さんにそんなことさせる訳ないだろう?」
「……ゴーストまで私に辛辣ですね」
「いつもの言動が悪いんだからされはわしらにはフォローしきれんよ」
わしらはどちらかと言うとこの子の味方だからねぇ?とまだ幼さの残る少女を孫を見るような目で見つめた。実際ゴーストである彼らにとってこのくらいの歳の子どもなら孫同然に感じるのも仕方ないだろう。
「はぁ……どうやらゴーストたちと随分仲良くなったようで何よりです。……要件ですが、実は学園内で怪我をする人が増えているんです。元々うちの学園の生徒たちは喧嘩っ早いので他校に比べれば怪我人は多い方です。それにもうすぐ生徒たちが楽しみにしていた大会もあります。毎年この練習で怪我人が出やすい傾向にはあるんですが……それにしたって多いんです」
「怪我人ですか……?」
「えぇ。昨日もハーツラビュルの二年生が階段から落ちて捻挫をしたそうです。どうも保健室に確認したらここ数日で怪我人が急増したそうなんです」
「はしゃぎすぎて転んだんじゃねーか?」
その可能性も捨てきれませんが、それにしたって不審な事故が多すぎると困ったように学園長は呟いた。ふむ…つまりただの事故じゃない可能性が高いと。なんとなくこの後の流れは察した。
「つまり、私たちにその調査をして欲しいってことですか?」
ただの一介の学生に?しかも、異世界出身の何も知らない学生を?
なんの役にも立たないと思うのですが……。