The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「そうだな。おかげでカリムに邪魔されずに宴の支度ができるから助かってる……正直面倒な奴もいるが、アイツはアイツで今回忙しいみたいだしな。心配ではあるが」
それはもはや託児所では?ジャミル先輩の言葉にリドル先輩以外の顔の知らない寮長たちを思い浮かべて苦笑した。
まるで子持ちの母親のような台詞を言っていることに先輩は気づいていないのだろうか。
「会議って何やるんだろうな?オレ様たち、学園長室から無理矢理追い出されたから妙に気になるんだゾ」
「学園長室?君たち一体何をやらかしたんだ?」
「やらかした前提で聞かないでくださいよ……」
「いや……俺たち二年の間でもグレートセブン燃やしたのとシャンデリアの事件は有名だからな」
そんなにその話広がってるの?
「今回はやらかしてません。別件です!」
「ふぅん?まぁ俺には関係ないしいいが。それと会議の内容なら十月に行われるマジカルシフト大会のことじゃないか?」
マジ、カル?シフト?
聞き覚えのない名前だなぁ。わかるの私がいた世界には恐らくないであろう競技だ。
グリムも知らなかったのか揃って首を傾げるとジャミル先輩のまさかと言いたげな視線が突き刺さる。
え、そんなに有名な競技なの?異世界出身の私はともかくとしてグリムも知らないみたいだけど。
「マジカルシフト知らないのか?世界的にも有名だぞ?」
「知らないんだゾ。なんだそれ?美味いのか?」
「……マジカルシフト。通称マジフトは世界的にも有名なスポーツだ。魔法を使うスポーツとは言えまさか知らない人がいるとはな…」
「あ、あはは……私のいた所は辺鄙な田舎だったから」
そういうものか?と先輩が眉を寄せた。取り敢えずそういうことにしておいてくださいな。
この学園はそのマジカルシフトの強豪校でもあるらしい。七人で編成されたチームが魔法を使ってディスクを浮かして、ゴールに入れると言う簡単なルールだ。守備も魔法で行うと聞いてなるほど魔法が使えないと確かにこのスポーツに参加は難しい。
というかそもそも無理だろう。浮かせるという時点で詰んでる。
スポーツにはあまり興味がないし、そのマジストの試合を見てないから詳しいことはよくわからないからそういうものだと受け止める。
「んー、なんだか音の響きはアメフトに似てるのになぁ……」
でも、ルールは全然ちがうみたいだ。