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The end of the story 【ツイステ】

第9章 Darkcloudsルームオーバー





「そーいや、オレ様」
「ん?」
「ユウがなんでスカラビアで宴?ってやつの手伝いするのか聞いてなかったんだゾ」
「あー……」

数週間前くらいのことだ。ジャミル先輩にお願いしてマロンタルト作りをした時、条件付きで手伝ってもらっていた。今度のスカラビアで行われる宴の準備を手伝って欲しいというものだ。
副寮長で忙しいジャミル先輩の手を借りるのだからこれくらいはと了承した。
グリムまでついてくるのは予想外だ。カリム先輩に私も宴に来ないかと誘われて、グリムが目を輝かせた時点で最早決まったも同然。自分も行きたいと先輩の前でねだって、カリム先輩はジャミル先輩の許可を取らないうちにあっさりとOKを出してしまった。
それを聞いたジャミル先輩は一瞬目が遠くにいっていた。……いつもお疲れ様です。

「そういえばちゃんとタルトを渡せたのか?」
「はい。先輩が教えてくれたおかげです!ジャミル先輩に教えてもらったこと言ったらトレイ先輩に感謝を伝えておいてくれと言われました。今度菓子折りを持って寮まで伺うそうです」
「そうか。カリムは食べられないが、ありがたく受け取ると伝えておいてくれ」
「分かりました!先輩に伝えておきます」

にっこりと笑って頷くとジャミル先輩の表情が珍しく柔らかくなったのを見て、私も笑みを深めた。

………タルトの流れでリドル先輩のことが頭に浮かんで動揺したことは先輩に気づかれなかったようで胸を撫で下ろす。
避けていることは本人には気づかれていそうだけど、そのうち察しのいいエースには気づかれそうだ。

「それじゃあ、君たちはサラダをお願いしていいか?」
「わかりました!じゃあグリムは手を切らないようにキャベツを一枚一枚剥がしてくれる?それ終わったらドレッシングもお願いしたいな」
「任せるんだゾ!」
「難しいところや分からないところは遠慮なく言ってくれ。俺やうちの寮生たちもいるからな」
「はい!じゃあ、早速始めちゃいましょう!」

おー!と意気揚々と手を挙げるグリムを横目にメンズ用で私にはブカブカの袖を捲って対して長くもない髪をゴムでまとめながらふと思った。
学園長、結局なんであんないきなり追い出そうしたんだろう。どんな内容なのかな?

「カリム先輩は確かスカラビアの寮長さんですよね。先輩も今頃会議中ですか?」

野菜を洗いながら先輩に尋ねた。


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