The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「それと例年同様、多数のテレビ局と新聞社より取材申し込みが来ています」
「オレも入学する前、この招待状来るのが楽しみだったなぁ」
送られてきた招待状を思い出してカリムは楽しげに目を細めた。
「レオナは王族だし、招待状来てただろ?小さい頃に会場ですれ違ってたかもな!」
キラキラと笑いかけるカリムに面倒くさいと言いたげにレオナは鼻を鳴らす。レオナの態度にリドルは少し眉を寄せる。こうして定例の寮長会議は始まった。
***
「お邪魔します。ジャミル先輩……グリムまで連れてきてしまってすみません……」
「いや、俺は別に構わないよ。どちらにせよ、食事は沢山用意しなくてはいけないし。モンスターが一匹増えたところでそう変わらない。
だが、その分しっかり働いてくれよ?」
「それは勿論です!」
ここは真夏のような太陽の光が肌を突き刺すスカラビア寮。もう放課後だというのに本当にいつ来ても暑い……。日本の真夏の蒸し暑さではないが、地面を反射してくる熱で流れてくる汗を拭った。
日差しが特にきついのでサムさんのところで買った日焼け止めをつけないとすぐに日焼けしそうだ。
こっちに来てからはよく外に出るようになったけど元々積極的に外へ出る方ではないから余計にこの暑さがきついと感じる。
「オレ様、オマエがスカラビア寮のやつとこんなに仲良いなんて知らなかったんだゾ。オマエは確か……えぇっと……?」
そういえばグリムはジャミル先輩と会ったのはこれで二回目か。私が先輩に会いに行く時、補習かエースのとこで遊びに行ってるかで機会がなかったね。
「ジャミルだ。ジャミル・バイパー、これでもここのスカラビア寮で副寮長をしている」
「おお!あの眼鏡と同じ副寮長だったのか!オレ様は大魔法士になる予定のグリム様だ!」
ふふんと偉そうに笑うグリムに思わず頭を抱えながら先輩に頭を下げた。相手が先輩にも関わらず上からな態度のグリムにすごく申し訳なくなった。
グリムの態度に苦笑しながらグリムの頭をつんと小突いた。これがジャミル先輩で良かったね……
他の一部の上級生だと余計に話がややこしくなる。
ちなみにお前同い年だろってなると思うけど、年齢バラしてからも二年の先輩方はやっぱり先輩って呼んでる。