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The end of the story 【ツイステ】

第2章 encounterボーイズ





「あれはサバンナを支配した、百獣の王。でも生まれながらの王じゃなく、綿密に練った策で王座を手に入れた努力家だ。王になったあと、嫌われ者のハイエナも差別せず一緒に暮らそうって提案した」
「おお!ミブン?に囚われないやつはカッケーんだゾ」
「グリム、難しいことよく知ってるね」
「ふふん!親分なんだから当然なんだゾ!」

自信満々に小さい体で威張ってるのは正直可愛らしいだけなんだけど、グリムには言わないでおく。
それにしてもハイエナを差別せずに……ねぇ。
目的のために利用しただけだったりしてね。まぁ覚えてないのでただの予想でしかないが。


「じゃあ、この蛸足のおばさんは誰なんだゾ?」
「深海の洞窟に住む、海の魔女。不幸せな人魚達を助けることを生きがいにしてた。お代さえ払えば、変身願望から恋の悩みまでなんでも解決してくれたらしい」

確かに蛸足が生えてる。ふくよかな姿をした女性で紙を持ち上げ、こちらに見せつけているような石像。恋の悩みを叶えられるのは人魚姫みたいな感じかな。

「彼女の手にかかれば、叶わない願いはなかったらしいよ。ま、お代はちょっと高かったって話だけど。なんでも叶うってんなら、当然だよね」
「そのお代ってやつ。どんなものだったのかな…」
「それってつまりオレ様が大魔法士になればリッチになれるってことか?!」
「それはなんか違うような…」

グリムはお金持ちになるために大魔法士になりたいのか。大分動機が不純。そもそもお代ってお金に限らないと思うし。
物々交換だったこともあり得るよね。何かを代償にした契約。よく聞く悪徳商法とかだとお代が高くふっかけられそうだよね。

「あ、じゃあ。この帽子のでかいおじさんは?」
「砂漠の国の大賢者。間抜けな王に仕えてた大臣で、王子と身分を偽って王女を誑かすペテン師の正体を見破った切れ者!」

凄くどこかで聞いたことのある話だな。

「その後、魔法のランプをゲットして世界一の大賢者にまでのし上がった!さらには、その力で王の座まで手に入れたんだって」

あ、うん。この物語は知ってる。
魔法のランプって……あの物語だと思うけど、この世界では似たような話が凄い形で伝わっているんだ……。
それに大臣だったのに王座を手に入れるって王様を裏切ってまで王の地位が欲しかったのかな。


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