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The end of the story 【ツイステ】

第9章 Darkcloudsルームオーバー





「とはいえ、件数が多くはないのであの化身についてはよくわかっていないことも多いんです」
「まぁ、そんな何度も起こってたまるかつーの。正直あんなことになるのは二度とごめんだ」

命の危険があるし、何より襲い掛かってくる魔法は塵を吹くように私の命を奪い去っていく。あんな怖い思いするのはエースと同じで二度とごめん、かな。

リドル先輩がもしあのまま本当に正気が戻らないままだったらと思うと本当に恐ろしい。

学園長もそう思ったのか馬鹿でかい声で叫ぶ。その声に驚いてグリムの毛が逆立ち、尻尾がピンッと伸びた。

グリムがうるさいとばかりに学園長を睨む。

「あぁ…すみません。つい……。
これで特別授業は終わりです。質問がないようでしたら皆さん寮に戻って構いませんよ。何せ私この後、とーっても忙しいので」
「忙しい?何かあるんですか?」
「えぇ。各寮の寮長を集めて会議がこの後ありまして。というわけで……」

学園長はにっこりと笑うと私たちの背を押して、半ば無理矢理部屋の外へ追い出してくる。いやまぁ、確かにもう用事は済んでるのでいいんですが、そんな強引に追い出さなくても…。

わざとらしく忙しい様子を装いながら追い出してくる学園長が少し気になったが、結局何も言えず学園長室から出た。
扉が閉まった瞬間、「やれやれ、会議の内容をグリムくんに知られたら面倒になるところでした。ただでさえ、最近生徒のトラブルが多くて困っているのに。……どうしてこうこの学園の生徒は血の気が多いんでしょうねぇ?」とクロウリーはとほほと乾いた笑みを浮かべながら呟いた。

***


「さて、皆さん。揃ったようですので十月に行われる寮対抗マジカルシフト大会についての寮長会議を始めましょうか」

会議用に用意された机と六つの椅子には各々の寮長がそれぞれ色んな表情を見せる。学園長に話を振られたアズールは手元の紙を見ながら柔らかい笑みを浮かべる。約一名以外はこの笑みの裏を知っているので若干冷めた目で見ながら進められる話を聞く。

「運営委員長のアズール・アーシェングロットです。まず会場となるコロシアム周辺に設置予定の出店についてですが、外部企業枠、内部部活枠ともに全て埋まりました」
「おっ!賑やかになりそうじゃないか!」
「各国のロイヤルゲストへの招待状はすべて送付済みです。チケットの売り行きも順調です」

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