The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「エースが風で怯ませた後にデュースはなるべく大釜以外を召喚して!ここ一応学園長室でもの壊したら大変だから」
「おっけー。デュースが上手くできるか見ものだな。大釜馬鹿のこいつが」
「大釜馬鹿ってなんだ!僕だって大釜以外を出すことだってできる!」
突風で髪が揺れた瞬間、どかんと大きな音が響く。ちょ、大釜以外でって頼んだのに…と視線をやると落ちていたのは確かに大釜ではないが、正直初めて見るものだ。
「ちょ、おま。何金属バット落としてるんだ?!しかも釘がつき!!」
「すごい…私こんなバット漫画以外で初めて見た。触ってみてもいい?デュース?」
「もちろんだ。尖ってる場所があるから気を付けて触ってくれ」
「まだ、ゴースト出てきてんのにお前ら暢気すぎ!!」
「オレ様が頑張ってゴーストのやつら追い払っているんだからサボるんじゃないんだゾ!!」
初めて見るバットに目を輝かせてみているとエースの必死な声が聞えてきた。これ終わった後に改めて観察するか…
しばらくゴーストたちに翻弄されながら魔法を駆使して追い払っていると学園長からそこまで!と終了の合図が下った。
それと同時にゴーストたちは完全に姿を消した。おそらく学園のどこかに帰ったのだろう。
「はぁ…はあぁ……やっと終わった…」
「さぁ、皆さん。お手元の魔法石に目を向けてください」
「魔法石…ってゲッ!オレ様の魔法石、なんか汚くなってるんだゾ!肉球でこすっても取れねぇ!どうなってるんだゾ?!」
「本当だ…なんか薄汚れてる…」
グリムの首輪についた魔法石をよく覗き込んでみるとグリムが言った通りインク汚れのような小さな小さな染みが魔法石にできていた。
あ、じゃあこれが魔法を使うことによって出現する…ブロット?
「そうです。そのインクを垂らしたような黒いシミ。それこそが、魔法を使ったことにより生じたブロットですよ」
「あ、よく見たら僕の魔法石にもうっすら染みがある…」
「これ綺麗にする方法ってないのか?あ、もしかして石鹸で洗えば綺麗になるんじゃないのか?」
「んなわけないでしょ…」
柔らかい肉球で魔法石の濁りを消そうと擦るグリムの提案した考えにエースはため息交じりに呟く。流石の私も石鹸で汚れが取れるとは思えないんだけど。その場合、普通の石鹸じゃなくてもはや魔法道具のようだが。