The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
オンボロ寮に住み着いているゴーストさんたちによく似ているけど、おしゃれな黒のシルクハットをかぶってないから多分別のゴーストさんだ。
状況がよくわからないうちに私たちはゴーストさんたちに囲まれる。一体何事かとエースとデュースがぎょっとしている間に容赦なく学園長の仮面の奥の目が笑う。
「どうせなら実践して見たほうが早いでしょう?ぜひこの若人たちに胸を貸してやってください」
「それはまた粋なことをするね、学園長」
「よしきた。いっちょ揉んでやりますかな?」
ふわふわと漂いながら姿を消したり現したりとするゴーストたちにこの世界に来た日のことを思い出す。
「さ、マジカルペンを構えなさい。学園長の特別授業はまだまだ続きますよ」
戸惑いながらも学園長に言われた通りマジカルペンを構える二人。
「…とりあえずやるしかないってことかな」
「お前、切り替え速くないか……?」
「それはたぶん、エースたちのおかげ、かな?」
色々とね。たくさんのことが起こりすぎて順応性が高くなったといえるだろう。
「おい、こら。それはどういう意味だ」
「さてね?ほらほら折角ゴーストさんたちが手伝ってくれるんだし、遠慮なく胸を借りようじゃんか」
「おっしゃあ!こうなったらかましてやる!」
「はぁ…仕方ないか」
やる気のデュースの目は爛々と光っている。こうやってグリムにゴーストたちの現れる瞬間を狙って指示をするのは久しぶりだ。今はエースとデュースも一緒に戦ってくれるからあの時より随分とやりやすくなったと思う。
「グリム、ゴーストが来たよ。火を!」
「ふなぁ!!」
目の前に現れたゴーストに向けてグリムは炎を吹く。多分ゴーストさんたちは授業の一環として私たちに付き合ってくれていると思うからそこまで本気に襲い掛かろうとはしないはず。
ならドワーフ鉱山での時やオーバーブロットの時と違って生命の危機を感じない分、随分と余裕を持って攻撃を見極めることができる。
まぁ攻撃といっても背後から驚かしてくる…くらいなんだけど。