The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「言いました~。ったく…オレも自分ちが犬小屋に見えるようなお城に住んでみてぇっスわ」
「王族なんていいモンじゃない。努力や実力派関係なく生まれてくる順番全て決まっちまうんだからな」
「ふ~ん。そんなものなんスね」
レオナさんはこの話題になるとよくこの顔をする。苦虫を噛み潰した様な渋い顔。そこに何を考えてるのか分からないが、家族のことを聞いた限りだといい人そうだから余計に複雑なんかな?
レオナさんとは真逆なゴミ溜めのようないつ子どもが死ぬかもわからないような世界で生きてきたオレには想像のつかない世界でレオナさんは生きてきたんだろうな。
「あ、今日の放課後はマジカルシフト大会に向けての寮長会議っスよ。忘れずに出てくださいね」
「…チッ。面倒くせぇ…」
「あのねー寮長ってことで一番デカい一人部屋使ってるんスよ。家賃分ちゃんと仕事してくださいっス」
「あーわかったわかった」
本当にわかってるんっすかね?オレが声かけなかったら絶対この人会議サボってたっすよ。
鬱陶しいと耳を押さえて片手で手を振る。そのままレオナさんは欠伸を一つ漏らしてまた横になった。
お腹いっぱいになったから寝るって牛の獣人になっても知らないっス。
というか寝るから昼休み終わったら起こせって……
「オレ、レオナさんの目覚まし時計じゃ…ってもう寝てるし!!!」
レオナさんに文句の一つでもと思ったらたったの3秒でお休みなさい。何も言葉が出て来なくてため息を一つ漏らした。
そういや、さっきデラックスメンチカツサンドを奪った相手……あの魔獣。それから一緒にいた一年たち。……どっかで見たような………
うーん?思い出せないし。
ま、レオナさんに連絡するほどのことでもないっスよね。
***
「失礼します、学園長」
「失礼しまーす」
相変わらず何度来ても凄い部屋だよな。学園長室って。ふわふわとグレートセブンの肖像画が飾られていてここに来るとなんか妙にジロジロと見られてるような気分になる。
というか思ったけど私たちって今までで一番寮長とかじゃないのに学園長室に入っているんじゃないかな。
よくよく考えてみたら普通学園長室…校長先生の部屋って入れるものではないよね。