The end of the story 【ツイステ】
第9章 Darkcloudsルームオーバー
「あ、もしかしたら………あの日大活躍したオレ様にツナ缶のご褒美かもしれないんだゾ!!ニシシっ」
「や、ツナ缶はないだろ」
「わかんないよ?もしかしたら学園長はお優しい人だからツナ缶くれるかも」
知らんけど。いやないだろってエースの鋭いツッコミが炸裂した。うん、私も言ってみたけどあの学園長なら話逸らして最終的にくれないだろうな。
***
「おーい!レオナさーん、昼飯買ってきたっスよー」
「………ん。あぁ、もう昼か」
気怠げに目を開けて欠伸をしながら起き上がる様子にラギーは眉をひそめる。尊敬してる寮長だけど、この授業サボるのもう少しちゃんとしてくれないっスかねー?毎回またキングスカラーは来てないのか?連れて来れそうなら引っ張ってでも授業に参加させて欲しいと頼まれるオレの身になって欲しいっスよ……。
「もしかして午前中ずっと寝てたんスか?まーた必修単位落とすっスよ」
「お、ちゃんと頼んだもん買えたんだな」
「レオナさんってば毎度競争率高いやつばっか頼むだもんなぁ。はい、デラックスメンチカツサンドとアイスティー」
ポンとレオナさんの手に乗せる。
「ばーか。手に入れるのが難しいからこそ食べたいんじゃねえか」
「ふーん?そういうものっスかね?
オレはカビとか生えて腐ってなきゃ何でもいいっスけどね」
オレそこまで食に対してのこだわりないしわからないな。食べられるならと泥水や雑草なんてなんども口にしたことあるし。まぁ、ばあちゃんにはいいもの食って元気でいて欲しいとは思うけど。そんなこだわりはスラムに住んでいたオレだからこそで。
「王子サマのレオナさんはオレより遙かにいいもの食ってきてるんでしょうし。オレの考え方は理解できないでしょうけど」
「はっ!第一王子ならまだしも俺は第二王子。どうせ王になる望みなんて薄いし。お前ら庶民となんも変わらねえよ」
「どこにこんな庶民がいるんスか?オレ、レオナさんがうちの実家の写真見て『犬小屋かと思った』っつったの、一生忘れないっスよ」
全くこんな偉そうな庶民がいてたまるかっス。庶民は寮生にあんなふうに威圧したり、高そうな財布押し付けて昼飯買ってこさせたりしないっス。
じとりとレオナさんを見つめるとそんなこと言ったか?と首を傾げられる。
うわ。ワザとらしい。絶対その優秀な頭なら覚えてるでしょ!
