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The end of the story 【ツイステ】

第8章 Quiet story of one chapter





「確かうちのクラスの……えっと……」
「うん。僕は同じA組のラッセル。ラッセル・ブランシェ。なんか絡まれてるみたいでうちの寮長に咄嗟に会ったフリをしたんだけど……」
「!さっきの声ってやっぱり」
「そうだよ、僕の声。まぁ口から出まかせだから寮長は来てないよ」

取り敢えず助けないとって寮長の名前借りちゃって、情けないと彼は笑う。ハーツラビュルの腕章がふわりと揺れた。

「そんなことないですよ。助けてくれてありがとうございます」
「!…どういたしまして。こういうことよくあるの?」
「えぇ……っと。まぁ、時々」
「そっか……あのさ。僕監督生に謝りたいことがあるんだ」


謝りたいこと?同じクラスってだけでほとんど面識はない気がするけど……。
何かあっただろうか。

「監督生が最初にクラスに入ってきた日に僕、なんで君がうちのクラスに入ってきたんだって言っちゃったんだ。聞こえていただろ?」
「!それは…」

言葉に詰まって何も言えずにその顔を見つめると彼は困ったように笑う。

「僕の家さ、お金があまりなくて…それに僕自身もそこまで頭が良いわけじゃないから必死に勉強した。だからこの学園に選ばれた時凄く嬉しかった。でも、君が魔法士を育てる学園に入学したはずなのに魔法を使えないし、授業の様子を見てるとほとんど何も知らないみたいで僕の中でどうして自分はこんなに勉強したのにって気持ちが強くなっちゃったんだ」
「そう、なんですね」
「あ、今は違うよ!君、なんでもない日のパーティーに来て僕も含めて上級生も何も言えない状態だったローズハート寮長に真っ向から間違っていると訴えたときや寮長がオーバーブロットした時、僕は足がすくんでたのに君は魔法が使えないのに先輩方を信じて寮長の動きを見て指示を出していた。僕、あれを見て凄く小さなことを気にしてたんだって気づけたよ。多分、僕以外にもパーティーに参加してた人は考えを改めたんじゃないかな?」

確かにハーツラビュルの知らない上級生に声をかけられて、荷物を持つのを手伝ってもらったことはあったけどそんな変化が起きてたのは気づかなかった。

「君を傷つけようなことを言ってごめんね」

この学園にもこういう人がちゃんといるんだと思うと心の中があったかくなる。
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