The end of the story 【ツイステ】
第8章 Quiet story of one chapter
【助けなんてこないよ】
んー疲れたー。ぐいっと大きく伸びをする。
体力育成よりは断然いいけど、座学も座学で同じ姿勢で聞くから身体が凝る。
「やーっと今日の授業終わったな。な、今日オンボロ寮に遊びに行ってもいいか?泊まらないからさ」
「え?いいけど……うち遊びに使えそうなの全然ないよ?」
「エース、流石に突然行くのは失礼だろ」
「本当、デュースは真面目だな。本人がいいって言ってんじゃんか」
全く、デュースを見習って欲しいなと思いつつ、許してしまう。だから周りに甘いって言われるんだろうな。
「それじゃオレトランプ持っていくからな」
「今度こそ負けないんだゾ!」
「お、じゃあ次はポーカーでもするか?負けたら今度食堂で奢るってことで!」
「わわ、分かったんだゾ!!」
「グリム、お前ポーカー知ってるのか?」
不思議そうにデュースが首を傾げる。グリムはどもりながら当然だと言うが……多分知らないんじゃないかな?
エースに煽られて乗せられただけだと思う。ババ抜き知らなかったのにポーカーはもっとルール複雑だよ?
意地悪な笑みを浮かべるエースに苦笑しながらやりとりを見守った。でも一言言わせて欲しい。
「エース、グリムに奢ってもらうっていったってお金は学園長に支給された分しかないんだから加減してよね」
「へいへい、わかってますよーだ」
「本当かなー。まぁ、いいか。私、ちょっと呼び出し受けてるから先に寮に行っててよ」
「おっけー。てか呼び出し受けたってお前何かやらかしたの?」
「んーやらかしてはないけど、取り敢えず用があるからね」
ひらひらと手を振ってエースとデュースは教室を出て行く。グリムは呼び出しと聞いて何食わぬ顔して一緒についていった。
いいけどさ……どうせこの呼び出し、私個人に対するものだと思うし。
昼休みの時間、渡されたメモに視線を落とした。全く知らない生徒からだった。確か腕章はサバナクローだったかな?時々あそこの寮生には睨まれるし、柄の悪い生徒が多いのだろうか。
でも、多分クラスメイトではないだろう。見覚えのない顔だったし。
小さくため息を吐いて足を動かす。
指定の場所は校舎裏。
あまり人がこないからってことなんだろうね。
ここに来てから既に何度かあることだけど、やっぱり怖い。相手は魔法という人を殺せる武器を持っているんだから。