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The end of the story 【ツイステ】

第8章 Quiet story of one chapter





私はこの居場所が居心地がいいと感じ始めている。
本当なら雑用係としてキャラクターと関わることなく過ごしたかったが、ロイヤルソードアカデミーの名前を聞いた時。私はストーリーの中にいるのがわかった。
所々内容が書き変わっていてもほとんどストーリー通りに私は進んでいるようだ。


「だから私、帰るのが辛くならないように関わりすぎないようにしたいんですよね。私はいつかみんなを『置いていく』から」


この世界の授業を受けていると改めて思う。ここは私の居場所じゃない。異端であることを。
だからきっと世界に弾き出される日が来る。


「先輩ってあっさりと私と同じで置いていこうとしそうだなって思ったので。あ、悪口とかじゃないですよ?こういうとこ似てるなぁって思って言っただけです」
「………聞かなかったことにするね」
「そうですね。これは私の独り言なので」

小さく笑ってようやく説教の終わった問題児たちに駆け寄った。ケイト先輩がどんな顔をして私の話を聞いていたのか分からないけど、言い逃げなんて卑怯だったかな?

「お前ーちょっとくらい助けに入ってくれてもよくねー?」
「見てたけどグリムが煽った時は私、ちゃんと止めに行ったよ?それにその後エースが煽り返したんでしょー?自業自得」

さて次の授業の場所に行かないとね。

私はいつも『置いていく』側だった。あーでも一度だけ置いていかれる側だったかな。

いつかここからいなくなるんだから情を持にすぎないように私がいなくてもグリムはここの学生としてやっていけるように色々教え込まなくちゃね。


***

いつもの笑顔を消してケイトはじっと親しい友達に囲まれて教室に戻る少女の後ろ姿を見送る。

「……置いていく、ねぇ。本当にそうかなぁ?」

似ているなんて、そんなわけないじゃん。

監督生ちゃんの場合、それは置いていくしかないって自分に言い聞かせてるからじゃない?
本当にその時がきたらあの子はどうするんだろう。



なんて意地の悪いことを考える。

「ケイト、監督生と何話してたんだ?」
「…んーん!何でなーい!!トレイくん。オレたちも教室に戻ろっ!」

トレイに声をかけられて振り向くとオレはいつも通りに笑った。


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