The end of the story 【ツイステ】
第2章 encounterボーイズ
グリムと朝食が食べ終わると早速地図を見ながら学園長の言っていたメインストリートの場所で石畳の掃き掃除から始めた。
グリムもグダグダ言いながらも率先してやってくれて助かる。
「オレ様がいないとユウは何もできないって分かったからな!」
「ごめんね…私、極度の方向音痴みたいで……まさか地図を見ながらなのに全く違う方向に進んでたなんて気づかなかったよ…」
あんなにどの場所にいるのか確認したのに気づいたら違う場所に行っていて、結局グリムが地図を見てそれらしい場所を見つけることができた。
学園長に事前に地図を貰えてよかった。地図があっても迷っている位なのに地図がなかったら永遠にメインストリートには辿りつけないところだったよ。ため息を吐きながら箒で石畳に落ちた葉を片付けていると気づけば7つの石像が並んでいる場所まで来ていた。
すごく見覚えのある顔が並んでいる。私はそこまで詳しいわけじゃないから正しい名前とか物語を知らないけど。えっと確かこの石像は……。
その時突然後ろから何やっているんだ?と不思議そうに声をかけられて、振り向くと赤いベストを着て何故か目元にハートのペイントが入っている人が立っていた。
多分ツイステに出てくる登場人物のはずだけど……誰だったか思い出せない。
「グレートセブンの像を見てどうしたんだ?」
「オマエ、突然なんなんだゾ?」
「いやぁ。じーっと石像を見ているからどうしたのかと思っただけだぜ」
「この石像は一体なんなんだゾ?なんかみんな怖い顔。特にこのおばさんなんか凄い偉そうな顔してるんだゾ」
グリムの言っているのは多分ハートの女王か。確かに結構偉そうな顔してるかも。ハートの女王が出てくる不思議の国のアリスは時々読んでいた話だから物語は割とわかる方かもしれない。
「ハートの女王を知らねーの?」
「偉いやつなのか?」
「昔、薔薇の迷宮に住んでいた女王だよ」
ハートの女王を見ながらその男子は楽しげに語り出した。そういえば、ハートの女王といえば入学式にいた赤い髪をした上級生がハートの女王の法律について話していたっけ。あの時はそれどころじゃなかったけど。
「規律を重んじる厳格な人柄で、トランプ兵の行進も薔薇の花の色も一切乱れを許さない。マッドな奴らばっかりの国なのに誰もが彼女には絶対服従。……なんでかって?規律違反は、即打ち首だったから!」