The end of the story 【ツイステ】
第2章 encounterボーイズ
ツナ缶、結局まだ用意できてなくて申し訳ないから今日の雑用が終わったら購買でツナ缶買ってあげよう。ちゃんと約束は守らないとね。
二人で…まぁゴーストもいるけど、もそもそとパンを齧っていると何処からともなく学園長が現れる。
この人、本当に神出鬼没だな……。
「おはようございます、二人とも。よく眠れましたか?」
「うーん。あまり……」
「全くなんだゾ。布団は穴が開きまくりでぼろぼろ。隙間風が酷くて昨日はまともに寝れなかったんだゾ。それに朝は追い出したはずのゴーストに起こされるし…散々なんだゾ」
「急に慣れない場所に放り込まれたのですから不安になるのも当然です」
現実を受け入れて進みましょうと話していることは正しいのに全然こちらのことを心配している様子のない学園長。
完全に他人事の台詞だ。こういう所がきっと他の生徒にあんまり敬われなくさせているのだろう。
「さて、そんなわけで本日のお仕事についてお話があります。今日のお仕事は、学園内の清掃です。
しかし、学園内は広い。魔法なしで全てを掃除し終えることは無理でしょう。ですので、本日は正門から図書館までのメインストリートの清掃をお願いします」
「わかりました。あのできれば学園内の地図を貰うことってできますか?」
「ふむ。確かにこの学園は広いので新入生はよく迷子になりますからね。……これで大丈夫ですか?」
学園長がぱちんと指を鳴らすと紙が出てくる。渡された紙を見てみるとご丁寧にオンボロ寮の場所らしきところに印がついてある。そこから辿ってみて学園に入るのに使う大きな道は……ここか。
「これなら購買部の場所もわかります。ありがとうございます」
「いえいえ。それよりもユウさん。昨日のような騒ぎを起こさないよう、グリムくんをしっかり見張っていてくださいね」
「自信はないけれど、できる限り見張りますね」
気づけば私から離れて問題を起こしそうなグリムを私一人で止められるかは分からないけど、努力はします。
「昼食は学食を摂ることを許可しましょう。では、しっかりと雑用に励むように」
そう言い残して学園長は立ち去ってしまった。今日から大変な一日が始まることを知っている私にとっては嫌な始まりの一言である。