The end of the story 【ツイステ】
第8章 Quiet story of one chapter
【似ているとは】
「ケイト先輩の持ってるスマホカバーって結構可愛いですよね…」
合同授業でペアになったケイト先輩に思い出したように呟いた。
「ん?突然どうしたの?オレと一緒にスマホ選びデート行く気になった?」
「いや……それはちょっと」
スマホ買えるだけのお金もないし。グリムはエースたちがよくスマホを見せてくるから自分も欲しいと言うけど、学園長から援助してもらってる身なのであんまり無理は言えない。
「がーん。フラれちゃった、けーくん残念だよぉ」
「あはは……」
「嘘泣きなんだゾ」
口で本当にがーんって言う人初めて見た。
しくしくと泣いてるフリをするケイト先輩にグリムが少し呆れている。
あ、バレた?と悪びれもなくカラカラと笑う様子に私たちはじとりと見つめた。
ちなみに今日の合同授業は一年と三年で薬草採取だ。担当する上級生は寮まぜこぜのランダム。
寮と学年関係なく交流を深め、三年は教えるための学習になることを目的とした授業らしい。
これを聞いた時、エースが面倒臭いと眉を寄せながら言ってたっけ。
「じゃあ。グリちゃんと監督生ちゃん。よろしくね!!」
「はい。えっと…まずはこの薬草ですよね」
「そうだよ。これに似ている葉の毒草があるから採集には気をつけてね」
先輩がサラサラと薬草の葉の特徴を描いてくれて、それを見ながら摘み取っていく。
「むー。薬草なんて美味いか不味いかだけ分かればいいと思うんだゾ」
「ダメだよ!流石のグリムでもお腹壊すよ」
「うーん?そういう問題かなー?」
私たちの会話にケイト先輩は苦笑しながらも間違いやすい場所を言いながらピンポイントで採集の仕方を教えてくれるのでグリムと一緒に聞いていてもすごく分かりやすい。
「先輩って結構教えるの上手ですね……」
「ん?そうかな?教えるのに関してはリドルくんとトレイくんの方が上手いんじゃないかな?」
「確かにそういうイメージありますけど、ケイト先輩も上手いと思いますよ」
「あはは…ありがと!」
その反応を見て、あれ?と疑問になる。ケイト先輩って思ったより褒められ慣れてないのかな?
一瞬表情が固まった後、いつも私たちに見せる笑顔に戻ってしまった。