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The end of the story 【ツイステ】

第8章 Quiet story of one chapter




ジャミル先輩にいれてもらったお茶はさっぱりしていて飲みやすい。香りも良くて絶対高いやつだこれ。

「美味しい……これあまり飲んだことはないけど美味しいお茶ですね」
「これは俺たちの出身国の熱砂の国ではポピュラーなものだが、確かに飲み慣れないと驚くかもな………主に甘さが」
「甘さ……?いえ、さっぱりしてて飲みやすいです」

後味すっきりでミント系かな?って感じだと思ったけど、甘い……?
そんなことはないと思うんだけど、自分の味覚がおかしいのかな。戸惑ってジャミル先輩の顔を見つめるとカリム先輩のカップを指差され、つられるようにそのカップを見てギョッとした。

「?どうしたんだ、監督生」
「どうしたんだって……か、カリム先輩。流石に砂糖いれすぎでは?」

ドボドボと自身のカップに砂糖を入れていく先輩。
それじゃ砂糖の入れすぎで上手く溶けなくてジャリジャリしそう……。


「そうか?普通だぜ?」
「……私からしたら普通ではないと思うのですが……」
「んー、まだ砂糖足りないか?」
「まだ入れるんですか!?」

甘いものは割と好きな私でもそれは甘すぎだってわかる。個人的にはお茶はストレートで飲みたいから正直信じられない光景だ。
な、わかっただろ?というジャミル先輩に言葉も出ずこくりと頷いた。

「熱砂の国はお茶をよく飲むんだが、客人をもてなすときのお茶で甘ければ甘いほど特別なお茶になる。君は飲むのが初めてだろうと思って砂糖は入れなかったんだ」
「な、なるほど。異文化って感じだ……確か先輩方の出身の熱砂の国ってスカラビアの寮みたいに砂漠が広がる場所でしたっけ?」
「そうだぜ!!」

そんなようなことが薔薇の王国を調べた時に本に載ってたな。……一面に広がる砂漠。スカラビア寮の砂漠でこんだけ凄いんだもん。
いつまでここにいるかは分からないけど。

「先輩たちの出身国、いつか行ってみたいです」
「お!本当か!ならその時はオレが盛大に歓迎してやるぜ!!」
「カリム、あの家の盛大は洒落にならないからほどほどにしておけ」
「あはは…聞いてるだけですが、凄そうですね」

語彙力がなくてそれしか言えないけど。ただでさえこのカリム先輩は軽々しく私に宝石を渡してこようとした前科があるので。一体何マドルなのか恐ろしくなって、震えながらカリム先輩に返した。
金銭感覚が大分おかしいのは伝わった。


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