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The end of the story 【ツイステ】

第7章 Redrulerサルベーション!



「学園長が話したんじゃね?あの人あれでもユウの保護者の代わりらしいし」
「んーまぁ、そんな感じかな?」

言葉を濁して頷くと納得してくれて、ほっと息をつく間もなく妙にパーティー会場が騒がしいのに気づいて周りを見回す。なぜか先輩方が頭を抱えてため息を吐いている。ケイト先輩は何かを察したのか苦笑していた。

「えっと、一体何が……」
「今、ロイヤルソードアカデミーって言ったか?」
「あの気取ったやつらが来てるって!!?」
「何だと!すぐに追い出してやる!!」
「あ、あれー?なんか急に皆さんの表情が……」

ライバル校で他校の生徒だからって利用だけじゃないような。いきなり雰囲気が変わって戸惑っているうちにチェーニャさんは悠々と二切れ目のタルトの最後の一口を食べ終えるとニヤリと笑って立ち上がった。

「そんじゃ、そろそろ帰るとするかねー。ふんふーん♪」
「あ、逃げたぞ!!」

ふわりと魔法でチェーニャさんの姿が消えると寮生たちがパーティー会場を探し回り始めた。

「な、なんか急に殺気だったんだゾ」
「あはは…うちの学園の生徒はわりと高確率でロイヤルソードアカデミーを敵視してるからねー」

戸惑う私たちを前に先輩方は困った顔でチェーニャさんを追いかけに行った寮生たちを見送っていた。いつもだったら怒って首輪を嵌めに行きそうなリドル先輩でさえ微妙な表情だ。

「100年も延々負け続けてれば、そうもなるというか……」
「学園に侵入したチェーニャが悪いとはいえ、パーティーの途中で席を立って追いかけに行くなんて…ハートの女王の法律以前の問題だ。全く…礼儀がなってないよ」
「まぁまぁ。時間がたてば寮生たちもあきらめて戻ってくるだろうし、今はパーティーを楽しもうよ!」

にっこりとケイト先輩は笑って、別のケーキを切り分けて私たちに渡してくれた。うん、そろそろいいかな?

「チェーニャさん。帰るなら今のうちですよ?追いかけに行った寮生さんたちが戻ってきてしまいます」
「?ユウ、どうしたんだ?チェーニャって人ならもう出ていったんじゃ…」
「……魔力がないって聞いてたのによくわかったにゃ」
「何となくですが…」

チェーニャさんの面白そうに笑う声が響く。今度こそ席を離れたのだろう。いつもの楽し気な鼻歌が少しずつ聞こえなくなっていった。

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