The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
鼻歌と共にトレイ先輩の作ったタルトを食べる姿が次第にはっきりと見えるようになる。
「チェーニャさん?!」
「おっと、見つかってしまったにゃ」
どうして気づけなかったのか不思議なくらい堂々とパーティーの席に座っていた。
「チェーニャ!どうしてここに!」
「むふふ。『なんでもない日』だから来たのさ。おめでとう、リドル」
「『なんでもない日』は、ハーツラビュル寮の伝統行事だ。キミには関係ないだろう?」
「それはそっちの人たちも同じなんじゃにゃーの」
「彼らは正式にボクが招待した客だ。そもそもキミは無断でまた寮に入ってきただろう」
じとりとリドル先輩はチェーニャさんを睨む。詳しくは知らなかったけど、先輩直々に招待してくれたんだ。それは嬉しいな。
じんわりと胸が温かくなるのを感じる。
というか、チェーニャさん。リドル先輩に招待されてないし、寮にも無断で入ってきたってハーツラビュル寮の寮生じゃないの?
「あのー」
「ん?どうしたんだ?」
「初めてチェーニャさんに会った時から思ったんですが、一体何寮の寮生さんなんですか?制服も着ていないし、その服は寮服というわけでもないんですよね?腕章をつけていないからどこの寮なのか分からなくて…」
「あぁ…そうか一年だと知らないのか。まぁ、チェーニャが制服を着崩しているのが悪いのだけど。チェーニャはうちの学園の生徒じゃないさ」
「えっ!違う学園の生徒さん!!?」
じゃあ、どうしてこの学園にいるんだ…
ん?待って…そういえば原作にもナイトレイブンカレッジの他に学園が出てきたような…
「そうさ。うちの学園とは長年のライバル学校でもある」
確かその学園の名前は…
「「ロイヤルソードアカデミー」」
私とリドル先輩の声が綺麗に重なる。
そう、そんな名前だった…ってあれ?本当に当たってる感じ?
「あれ?ロイヤルソードアカデミーのこと知ってたのか?」
「あー、知ってたというか。何というか…」
どちらかというと『思い出した』が正しい。相変わらずこの世界がゲームのストーリーに似た世界だと気づけているのにその肝心のストーリーが思い出せていない。でも、リドル先輩とチェーニャさんの話を聞いてこの学園にロイヤルソードアカデミーというこの学校にとってはライバル校の存在の意識がふと頭をよぎっただけ。本当にそれ以外はやっぱり何も思い出せない。