• テキストサイズ

The end of the story 【ツイステ】

第7章 Redrulerサルベーション!




お母さんとのことはあっても随分と吹っ切れたみたい。


「寮長、あれから変わったよなー」
「……そうだな」
「ふふ、素直に他の寮生の言葉に耳を傾けるようになったってトレイ先輩凄く喜んでたなぁ」

格段に表情が前より柔らかくなっている。心に余裕ができるようになったからだろう。
目を細めて仲のいい先輩方を見送っているのを見て、エースは複雑な感情を抱いた。

***

トランペットの音が高らかに響く。

「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!!」
「リドル寮長、バンザーイ!」

寮生たちの歓声の中、現れたのはふわりとマントを揺らして王冠をのせたリドル先輩。

「うん。庭の薔薇は赤く、テーブルクロスは白。完璧な『なんでもない日』だ」

あの時と同じ光景。でも、前と違うのはパーティーの開始をほとんどの寮生が心待ちにしていること。

そして……

「ティーポットの中に眠りネズミは………っていや、いなくてもいいか」
「そんなに急に変えなくたっていいさ。ジャムは、ネズミの鼻に塗らなくたって、スコーンに塗ればいい。『絶対ないとダメ』じゃなくて、『あったっていい』にしていけばいいだけだろ?」
「うん、そうだね」

優しい笑みを浮かべたハーツラビュルの寮長。

「なんとか準備が間に合ってよかったよ。途中でフラミンゴたちが逃げ出した時にはどうしたものかと思ったよ……」
「あぁ…本当に良かったな…前だったら多分首を刎ねられてたよ。なんとか先輩方にバレる前に集められて良かったよな……」
「全く、フラミンゴ外に出す時は気をつけろよなー」

遠い目でクロッケー用のフラミンゴを見た。なんでも外に出そうとしたらその隙に逃げられたらしい。
一年総出で捕まえるのは大変だったなぁ。

「お庭やテーブルセットもいい感じにフォトジェニックにできたからオレは大満足♪」
「うわっ!びっくりした…」
「んふふ。一年生ちゃんたち、頑張ってたみたいだね。偉い偉い!」
「うー!お腹空いたんだゾ!ケーキ!早く!」

目の前のケーキに目を輝かせるグリムの頭を撫でる。もう少しで食べられるからあとちょっとだけ我慢しようね。

「オッケー!じゃ、さっそく……」
「ちょっと待って!」

リドルくんに乾杯を促そうとカップを上げたケイト先輩をリドル先輩が止める。
先輩の目線の先は……白い薔薇。

あ、やばっ…

/ 324ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp