The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
飛行術で飛んでいる時に彼の様子がおかしいのを見て、助けに行った。……あの時も自分の変化に戸惑った。
あの子の側は居心地がいいの思う反面、ルールを守ることに縛られたボクは側にいるのが怖くもあった。
しかし、なんでもない日のパーティーの時小動物のような印象は一転した。
真っ直ぐにボクを見て、ルールに縛られるボクを冷静に見ていた。その目はボクの今までを否定するように感じられて呆然としてるうちに出し抜かれてしまったのは今でも信じられない。
「ボクは一人じゃない……か。今更こんなことをしておいてボクのことを許してくれる人なんていない。結局独りぼっちだよ」
そっと目を伏せた時、誰かの声が薄っすらと聞こえた。
___リドル!目を覚ませ!
***
気づけば先輩の服装は破れたドレスのようなものじゃなくなり、所々土で汚れてはいるものの寮服に戻っている。
なんか一瞬、ローズハート先輩が幼い姿で泣いてるのが脳裏に浮かんだんだけど気のせいかな。
受け止めた先輩は顔色は悪いけど、ちゃんとトクトクと心臓の音が聞こえるし、しっかり呼吸してるのも感じられた。
そっと地面に下ろすと後ろから先輩方が近寄ってきているのがわかり、邪魔になると思って後ろへ下がる。
「リドル…!起きろ、リドル!」
「どうしよ…リドルくんが起きないね……」
トレイ先輩が必死に声をかけて、揺するのはまずいと思ったのか、肩を叩いたりするが起きる気配がない。
「なるべく寮長に当てないようにしてけれど打ちどころ悪かったか…?」
「派手に大釜が当たったしな…ありえる」
こんだけ騒がしくしてても目を覚さない先輩にグリムも心配そうに顔を覗き込んだ。
どうしたらいいのかと悩んでいると庭園からようやく学園長が現れた。暴走状態が既に解かれていることに驚きながら目を覚さないローズハート先輩を診てくれる。
「どうですか?学園長…」
「うーん。大きな魔力の乱れはありますが、オーバーブロットは完全に解除されたと言っていいでしょう。しかし……目を覚さないのは何故なんでしょうか……」
「そんな……」
「くっ……リドル!目を覚ませ!」
戸惑いながら首を傾げる学園長に血の気が引いた。
トレイ先輩が必死に声をかける。
その時一瞬だけピクリと瞼が動いた気がして息を呑んだ。