The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
みんな沢山魔法を使って疲労が溜まってるのは見て取れたからそろそろトドメを刺さないと。
相手も最初より動きが鈍くなってきてる。
魔法じゃなくても攻撃をなんとかな避けられる程度にはって感じだけど。
「もう、つられて涙止まっちゃったよ。先輩方。あともう一息です!相手も確実に弱ってきてる!」
「おっけー!」
「グリム!薔薇の木を焼き払って!」
私の声に合わせて向かってきていた薔薇の木は青い高温の炎で焼き焦げる。デュースが私たちへの攻撃に必死になっている化け物に大釜を今度は頭上じゃなくぶつけるような形でインク壺の頭に当てる。
ピキッ
確実に割れる音が聞こえた。
「ケイト先輩、分身を解除して炎をあの亀裂に!エースも風で炎を煽りながら亀裂を狙って!」
「よぉーし!やってやろうじゃん!」
思いっきり風と炎が合わさって大きなヒビをつくる。化け物の呻き声と共に先輩が崩れ落ちるのが見えて、駆け寄った。
私が先輩を受け止めるのと同時に背後のバケモノがインクと共に消えていく。消え方はドワーフ鉱山の化け物とよく似ている。
周囲は振り下ろされた薔薇の木や掘り返された土でぼろぼろだ。
「ボクが……間違っていた……?そんなわけない…よね?お母様……」
「!!!ローズハート先輩」
フッと気を失った先輩に声をかけるけど、目を覚ますことはない。
確実に暴走状態は解けたと言ってもいいだろう。
でも、目を覚さない限り安心はできなかった。
***
ぐらぐらと揺れる頭でボクはかつての記憶を思い出していた。
お母様がボクへプレゼントしてくれたのはちょこんと皿に置かれた一切れのケーキ。大好きなお母様が誕生日を祝ってくれるのは嬉しかったけど、それでも肩を落とした。
幼いボクはずぅっとケーキ屋さんのショーウィンドウにある宝石のように輝く苺のタルトが食べてみたかったんだ。
でもお母様は……
「あんな砂糖の塊、毒みたいなものじゃない。
一日分の摂取カロリーをオーバーしてしまうわ」
「はい、ママ」
許してはくれなかった。
それから分刻みで詰め込まれていく学問。
学習時間は出来なければ出来るまで延長された。
トレイたちには難しい顔をされたけれど、
それがボクにとって普通のことだった。
そんな日常が一変したのはトレイとチェーニャのおかげだ。