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The end of the story 【ツイステ】

第7章 Redrulerサルベーション!





トレイ先輩は苦笑しながらペンを振るって魔法封じの魔法を上書きしてトランプに変える。
これでしばらくは私たちは魔法を使えるはずだ。

そんなに長くは持たないらしいから今のうちに畳み掛けよう。

体力のない私は先輩たちの後ろから状況を見ながら指示を出していく。


「ケイト先輩は分身でローズハート先輩を錯乱させて!引きつけたところをデュースは大釜で後ろの化け物に足止めを!」

ユニーク魔法で増えた先輩は分身が消されるギリギリまで引きつけてくれる。それに気を取られてるところをデュースの大釜が大きな音と共に落とされた。

「エースは風で更に動けないように化け物と先輩を固定!動けなくなったところでケイト先輩とグリム、デュースで一気に頭を狙って!」

人間じゃないけど、ドワーフ鉱山の時と同じ急所ならこの魔法で倒せるはずだ!
しかし、その前に私たちに薔薇の木が襲ってくる。
それを避けてから相手を動きをじっくり見ていると視界の端でこちらに振り下ろされる薔薇の木に遅れて気づいて青ざめた。

やば、これはちょっと間に合わないかも。


グリムの私を呼ぶ声がした瞬間、衝撃と共に地面をゴロゴロと転がった。


「あ、え、エース…」
「っは〜〜〜!なんとか間に合った!」

ぷはっと顔を上げて覆い被さっていたのはエースだった。咄嗟に走って私を抱き上げて攻撃を避けたようでエースの体に焼け焦げた草がくっついている。

「二人とも怪我はない?!」
「私はエースが庇ってくれたから平気です!」
「オレは転んだ時、腕擦りむいたけど全然まだまだよゆーっすよ……だからそんな顔すんなって。な?」

エースは困ったように頬を伝うものを袖で拭ってくれた。一度出てしまった涙はなかなか引っ込まなくてゴシゴシと拭いながらしゃっくりをあげる。

「あーこらこら。そんな風に擦ったら赤くなっちゃうだろー?」
「だ、だってぇ。…っひ。…エースが死んじゃうかと思った……」
「平気だって。それにその台詞、さっきお前がオレを庇おうとしたとき。オレは同じこと思ったぜ?
少しはオレの気持ち、分かったか?」

ニヤリといつものように少し意地悪な表情になると私の手を引っ張って立ち上がらせてくれた。


「随分とキザなこと言うじゃないか」
「うっせー!」
「意外なんだゾ!」

からかうように話しながらも魔法の手は止めない。


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