The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
「ボクは……ボクこそが!!!絶対、絶対、正しいんだーーーーー!!!!」
「リドルーーーーー!!!!!」
二人の絶叫と共に私にはポタリとポタリと何が落ちる音が聞こえてきてくる。水とはまた違うような……これはインク?
黒く染まった何かが先輩を覆い隠す。
粘度を持ってるのかドロリと広がっていく液体はそのまま先輩を飲み込むとすぐに消えていく。
気付けば先輩の姿は明らかに今までものとは違う姿に変わっていた。真っ白で綺麗な寮服とは全く別物。まるでメインストリートにあるハートの女王の像を連想するハートを象った赤と黒のドレスだ。
背後の黒い塊がだんだんと形を変えていき、最終的にインク壺のような頭をしてドレスを纏った化け物がうまれる。
「!!先輩の後ろにある化け物……なんか見覚えが………」
「……ハハハ……マジか……本当にオーバーブロットしちゃったよ……初めて見たオーバーブロットがリドルくんのなんてほんと笑えない……」
引き攣った乾いた笑いがケイト先輩から溢れた。
ローズハート先輩の笑い声にはもう怒りなんて感じられない。化け物の声と二重になって聞こえる声は不気味さを感じる。
「ボクに逆らう愚か者ども。そんな奴らは、ボクの世界にいらない。ボクの世界では、ボクこそが法律。ボクこそが世界のルールだ!
返事は『ハイ、リドル様』意外許さない!!ボクに逆らう奴はみんな首をはねてやる!アハハハ!!」
「なんでことだ!私がついていながらまさか生徒をオーバーブロットさせてしまうなんて!!」
「学園長、アイツ早く止めないとまずいことになるんじゃないか?!めちゃくちゃ邪悪な感じに変わっちまったんだゾ!!」
魔力のない私でも漂う黒いオーラが見えているのだから魔法の使えるみんなからすると凄く邪悪に映っているだろう。
何よりあの化け物が腕を振り下ろすと庭園の垣根が壊れてしまう。なんて威力だ……。
「オーバーブロットは、魔法士が一番避けねばならない状態です。彼は今、負のエネルギーに囚われて感情と魔力のコントロールを失っている」
「ちょっとよくわかんねえんだゾ!」
「僕もだ!」
「お前もかよ!!」
エースのキレのいい突っ込みに思わずクスクスと笑った。よく分かってないからというのもあるけど、不思議とそこまで恐怖は湧いてこない。