The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
魔法まで要素に含まれるのならケイト先輩の言う通り、[チート]だ。
首輪を解除されたことに気づいたリドルが何度ユニーク魔法を唱えても光とともにトランプに変わる。
ユニーク魔法、大したことないってことは全然ないじゃないか。
「何度使ってもトランプしか出てこない……!」
「もうやめろ!リドル!
これ以上はお前が孤立していくだけだ!寮生の顔を見てみろ!」
僅かながら残っていた寮生たちは呆然と私たちや目の前の暴走した寮長を見つめている。
その目はみな怯えていた。
トレイ先輩のおかげで無事だったとはいえ、殺す気で薔薇の木が振り落とされようとしたいのだ。
例え自分に向けられていなくても恐怖を感じるのは当然だ。
寮生のことを見ることもなく、先輩はトレイ先輩を見つめている。
「トレイに魔法を上書きされた……ボクの魔法よりキミの魔法が優れているってこと…?」
「そんなわけないだろ!リドル、落ち着いて話を聞いてくれ!」
「キミもボクが間違ってるって言うのかい?ボクはずっとずっと…厳しいルールを守ってきたのに。
いっぱいいっぱい我慢したのに!」
悲鳴のように今にも泣き出しそうな声は庭園に響いた。それと同時に不自然な暗い空がだんだん黒さを増していく。
絶対に信じないという声はまるで泣き叫ぶような声にも聞こえた。
先輩の手元にあるペンはますます黒みを帯びていて、もうほとんど最初のルビーのような宝石の輝きは完全に失われていた。
「エース、離して…ローズハート…リドル先輩が!」
「ダメだ。お前は自分が魔法使えないこと忘れたのか!!?行ってもアイツを止められなくて危ない目にあうだけだ!」
「そうだよ!エースちゃんのいう通り!ユウちゃんは危ないからオレらの後ろに隠れててね!」
「子分、今は従った方がいいんだゾ。オレ様だって子分が怪我をするのは嫌なんだゾ」
エースとケイト先輩に思ったより力を込めて掴まれて身動きが取れそうもない。グリムの悲しそうな声に仕方なく頷いた。
その間にも先輩は私たちにユニーク魔法をかけようとしていてトランプが地面にふわりと落ちた。
「ローズハートくん!それ以上魔法を使えば、魔法石が『ブロット』に染まりきってしまう!」
「ブロットってローズハート先輩が言ってたやつ……?」
私とグリムが戸惑っているうちに事態はどんどん急変していく。