The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
気づけばあたりは暗くなっていて日が沈んで暗くなったわけじゃない不自然な暗さ。
そして庭園に咲いていた薔薇の木が無理矢理持ち上げられ空中に浮かんでいく。そのせいで薔薇の木は土のついた根っこが剥き出しになっていた。
これももしかしてローズハート先輩の魔法!!?
「なんて大がかりな魔法なんだ!…まさかアレが突っ込んでくるのか!?」
「!!?まずい……エース!逃げて!!」
先輩の目はエースを睨んでいる。
この標的は確実にエースだ!あんなものが当たったら怪我どころじゃ済まないよ!
「薔薇の木よ!あいつの体をバラバラにしてしまえ!!!」
浮き上がる薔薇の木がエース目掛けて飛んでいくのが見えて、ケイト先輩の背中から隙を見て逃げ出した。
慌てて止めようとするケイト先輩の声を無視してエースの元まで走る。
みんなより足が速くない私なのにこの時は自分でも信じられないくらい素早く動くことができた。
「ユウちゃん!!?」
私は気づけばエースの前に庇うようにして立っていた。私は魔法で威力軽くしたり、薔薇の木を消したりなんてできないから盾になることしかできそうにない。
それでも今更退いたりなんてしない。
エースが慌てて私を突き飛ばそうとして手を伸ばしていたのには気づいたけど、その前に薔薇の木が私たちに襲いかかっていた。
「……っ」
目を閉じて衝撃と痛みを覚悟するが、しばらくしても全く痛みを感じない。恐る恐る目を開けてみるとそこには何故かひらひらと舞うトランプたちがある。
「何これ…トランプ?」
「薔薇の木がトランプに変わったのか?…この魔法……」
「リドル、もうやめろ!」
トレイ先輩がローズハート先輩の前に立って訴える。先輩の手にはマジカルペンがある。
このトランプ、もしかしてトレイ先輩の…?
先輩がもう一度ペンを振るとカチャリと音を立てて、エースとデュースの首輪が外れた。
「二人の魔法封じの首輪が外れたんだゾ!」
「やっぱりトランプのとこの魔法ってトレイ先輩の魔法?」
「俺の『ドゥードゥル・スート』は、少しの間ならどんな要素も上書きすることができる。
だから……リドルの魔法を俺の魔法で上書きした」
「うっそ!そんなのアリ?!チートじゃん!」
要素って色や味、匂いだけじゃなかったんだ。