The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
「そこは同情はできると思ったけど、やっぱちげーわ。ユウの言う通り、母親の考えを寮生に押しつけるクソ野郎になったのは親のせいなんかじゃない。
アンタがそんなそんな間違ったやり方を誰も指摘してくれるダチの一人も作れねーてめーのせいだ!」
「何を言って……」
「ママ、ママってそればかりで自分じゃ何にも考えてねーじゃん。何が赤き支配者だ!お前は……お前は魔法が強いだけのただの赤ちゃんだ!!!」
やっと言いたいこと言えたとエースはため息をついたが、目の前の寮長は完全に頭に血が上って顔を赤く染めている。
私はこの光景に酷く既視感を感じた。これ、少女の立ち位置にエースが来てるの?ってことは……この後……。
トランプ兵が襲いかかる様子を思い出して身震いをする。
エースが私たちの代わりに言いたいこと全部ぶちまけてくれたおかげで私とデュースはすっかり冷静さを取り戻していた。
「赤ちゃん…だって……?ボクのこと何も知らないくせに!」
「あー知らないね。そんなの知るわけねぇだろ!!
今までの態度でわかると思うか?甘えてんじゃねーよ」
「うるさいうるさいうるさい!黙れ!お母様絶対正しいんだ!だからルールを守ってるボクも絶対正しいんだ!」
まるでこうじゃないとダメだと自分に言い聞かせるように先輩は叫ぶ。トレイ先輩と学園長がこれ以上続けさせるのはまずいと判断して、駆け寄ってくるが、観戦していた寮生たちの誰かから声が上がる。
もう寮長の横暴さにうんざりだと。無理矢理従わされるのは嫌だ。
エースという一人が声を上げれば更に連鎖するのは必然だった。
「…うっ!」
「な、なんだ!?」
それと同時に何か白い塊が先輩に飛んでいき、その中身が先輩の寮服に当たる。黒いマントに当たったそれは滴り落ちた。
白い殻が地面に落ちている。
「あれは……卵……?」
「今のはもしかして寮生が……?」
「誰だ!ボクに卵を投げたやつは!!」
鋭く睨むローズハート先輩に寮生たちは目を逸らしたりと素知らぬ顔で黙り込む。
この人たち……私たちが不利な時はあんなにニヤニヤしながら見てたくせに。都合が悪くなるとこうなるのか。
寮生たちの様子に先輩は笑い声をあげる。その声は完全に最初の余裕さが消えて、怒りで正気を失っているようにも見えた。