The end of the story 【ツイステ】
第7章 Redrulerサルベーション!
「寮全体をまとめるにはルールに罰則は必要だ!!
そんな簡単なことが分からないなんてキミは一体どんな教育を受けてきたの?」
「リドル!!それは言い過ぎ…」
「どうせ、大した魔法も使えない親から生まれて、この学園に入るまでろくな教育も受けられなかったんだろう。実に不憫だ」
止めようとしたトレイ先輩のことも遮って言った言葉に私の表情が一変したのが自分でも分かった。
それと似たようなことを言われたのはこれで二回目だ。その二回目を尊敬していた先輩に言われるとは思わなかったけれど。
怒りを通り越した感情が込み上げる。
グリムは自身を抱く腕に力がこもったのを感じて、その顔を見ると凍りついた。いつものように自分たちがやらかしても困ったなと笑うだけでエースたちからお人好しと称される彼女からすっかり笑顔は消え、無表情で見つめるその目には何も映っていない。
「子分……?」
「……テメッ。俺たちの親は関係ねぇだろ!」
「……………」
無言で揺れるグレーの瞳を見つめた。勢いに任せて行ってしまったのはわかったけど今更撤回できないって感じか。
「ふざっっっっっけんなよ!!!!!!!」
「っ!!?」
エースの思わぬ行動に目を見開く。
ざわざわと寮生たちの声とトレイ先輩と学園長たちのぎょっとした声が聞こえてきた。
まさかの大胆な行動に出た後輩に信じられないと開いた口が塞がらないと言う様子のケイト先輩。完全に空気が凍りついたのがわかった。
「げっ!あいつ寮長を殴りやがった!!」
「綺麗に右ストレートが決まったんだゾ!」
しかも顔面に。
何が起こったのか分からないという先輩をよそにエースの低い声がよく響いた。
「もういい。ほんっと……
決闘とかもうどうでもいい。それに元から寮長の座なんて興味ねーし」
「え…ボク殴られ……?」
エースが吐き捨てた言葉の前に先輩は呆然と頬を押さえて座り込み、エースを見上げていた。
決闘は魔法だけだっていうのに突然殴ってきたらそりゃ驚くだろう。家庭からしてきっと叩かれたことなんてほとんどないだろうから余計に。
「子どもは親のトロフィーじゃねーし。子どものデキが親の価値を決めるわけでもない。トレイ先輩からアンタがエグい育て方されてたのは聞いたけどさ」
エースは一つ呼吸を置いてから尻餅をついたままの寮長を睨みつける。