The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
「挑戦者はエース・トラッポラ、デュース・スペード。挑戦を受けるのは現寮長のリドル・ローズハート」
学園長が挑戦者のハンデである魔法封じの首輪を外すようにと言うとローズハート先輩はペンを軽く振る。すると、二人につけられた特徴的な首輪が光と共に消え去った。
エースに聞いたけどあの首輪は割と重量があるらしい。そんなものをつけてたら流石に肩が凝ったとエースはグッと伸びをした。寝る時も邪魔そうにしてたし、とりあえず取れてよかったねというべきか。
「どうせすぐにつけられることになるんだ。束の間の解放感を味わうといい。キミたちがボクに決闘を挑むなんて耳を疑ったよ。本気なのかい?」
「冗談で決闘を挑みません」
「ふーん?まぁいいや。そろそろ16時、お茶の時間だ。その前にさったと決着をつけてしまおう」
16時って……あと30分もないくらいだけど。これは完全に舐められている。
「ちっ!舐めやがって……ぜってーオレが寮長になったら謝らせてやる」
「へぇ…やれるものならやってみなよ。一人一人相手をするのは面倒だ。二人まとめてかかってきなよ」
目を細めて不敵に笑う寮長の姿にゴクリを唾を飲んだ。ぎゅっと手を握って向かい合ってマジカルペンを構える三人を見守った。
観戦してる寮生たちは完全に寮長の味方のようだ。
普段は陰で寮長に対しての不満を言ってるくせに本人を前にしたらユニーク魔法が怖くて褒めたてるようなことをする。
別に責める気はないけど、なんとも微妙な気分になった。エースたちが動かなくてもいつかこの圧政は崩れただろうね。そしてきっと革命が起きる。
「感じ悪いんだゾ!」
「こっちだって作戦くらい立ててきてるし!」
ここまで誰にも応援されないのはムカつくと三人は訴えるけど、ローズハート先輩はどこ吹く風という様子でただ前を見据えていた。
「ユウちゃんは危ないから念のためオレの後ろにいてね」
「ありがとうございます、ケイト先輩。でも大丈夫ですよ」
どういう結果になろうとちゃんと見届けなくちゃ。ケイト先輩は困ったように笑うと引き下がる。
学園長が開始の合図に使う手鏡を振り上げると向かい合う三人の中央に放り投げた。
ガシャン
鏡の割れる音と同時に学園長の合図が庭園に響き渡った。
それと同時にエースとデュースは動き出す。
決闘がついに始まったのだ。