The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
「でしたら決闘の手続きは私がしておきましょう」
会場や日程を調整しなくてはと考えだす、学園長の隣で私たちは早速作戦会議を始めた。
一つ上とはいえ魔法の得意な寮長に対してこちらは二人で同時に相手したとしてもまだ一年のエースとデュースの魔法の威力やレパートリーも当然少ない。何より日頃から寮生たちを取り締まっているから経験の差は歴然だ。
真正面での魔法の勝負は勝算が低い。
なら少しでも相手の一歩先に行けるようにと作戦を立てていくしかない。
「寮長にオレたちが魔法で勝つところ想像つかないよな…」
「最悪、拳でなら勝てるかもしれないな」
「うーん。まぁ…ローズハート先輩はどう見ても荒事に慣れてるようには見えないし…よくないとは思うけど。それも作戦の一つ……かな?」
弱っちそうだしそれなら勝てそうなんだゾとニヤニヤとグリムは何やら企んでいるのか笑った。
「あ、忘れていました。この決闘では魔法以外の攻撃は使用禁止ですよ」
「えっ!!?」
「使用禁止なんですかっ??!!」
そんなの聞いてないと慌てる私たちを横目に学園長はにっこりと笑う。挑むタイミングはご自由にと一言、言い残して図書室を去っていった。
爆弾を落として去っていく感じ、いつもと変わらないな学園長……。
「ということは魔法と作戦でどうにかするしかないね……」
「うげー、寮長相手に魔法だけかー。なんかいい作戦ない?」
「そうだなぁ……なら………」
ぽつりぽつりと少しずつ案を出しながら作戦を固めていった。
あとはこれが本番で成功すれば言うことなし。
エースが「変なルールで寮生をがんじがらめにするのやめさせてやる」と意気込む様子をトレイ先輩は何もいわず心配そうに見つめていた。
わかってる、完全に勝算は低いし成功するかなんて本番になってみないとわからない。けどやるしかないよ、ここまで来たら。
それにしても何でかな。
決闘の決定の瞬間から嫌な予感と変な音が聞こえて来る。ぽたりぽたりと落ちる雫の音。
この音、同じものを食堂で聞いた。
これはただの幻聴じゃないと不安が胸をよぎった。
***
「で、二人はまだここに泊まるのね」
「しゃーないじゃん、結局マロンタルトじゃダメだったわけだし?」
「すまない……ユウ。決闘が済むまでよろしく頼む」