The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
「アンタさ。実際あの寮長のことどう思ってるわけ?副寮長としてじゃなくて小さい頃からあいつのこと見てきたんだろ?」
エースの言葉に先輩は、ぱっとエースの顔を驚きを隠せない顔で見る。チェーニャさんの言ったことは本当だったんだ。
「誰から聞いた?」
「……チェーニャと名乗った猫の獣人です」
「チェーニャ……そうか…あいつが」
「つーかよぉ。リドルよりオマエの方が年上なんだろ?ビシッと怒ってやればいいんだゾ」
呆れたようにぼやくグリムにトレイ先輩は苦しげに首を振った。
「もちろん、必要があればそうするさ。でも……俺には、あいつを叱ることなんか出来ない」
「なんで!」
「リドルの全ては、厳しいルールのもとで“造られた”ものだからだ」
「造られた……」
「あいつ…リドル両親は地元じゃ知らない人がいないほどの有名な魔法医術士でね。特に母親は優秀であることをリドルに求めた。
だから起きてから寝るまで学習プログラムが分刻みで決まっているような生活をしていたんだ」
「……やはり家族が関わっていたんですね」
なんとなく流れがわかって目を伏せた。
エースとデュース、グリムは先輩の幼少期を聞いて驚いたが、何よりその過去の壮絶さに特に母親想いのデュースが一番ダメージがデカい。
自分の母親で想像してしまったのか少し青ざめていた。
「それでもリドルは両親の期待に応えるために全てをこなし。10歳にしてあのユニーク魔法を完成させた。成績も、エレメンタリースクールからずっと学年首位を保持し続けてる。それがどんなに大変なことか、想像もつかない」
そして、厳しいルールで縛ることは相手のためになると思ってやっていること。だからエースたちのようにルールを破るものが絶対的な悪。ルールを否定することはすなわち今までの自分の否定になるからと。
だからとトレイ先輩は複雑な表情を浮かべて続けた。
例えお前たちが横暴に思っていたとしても小さい頃のリドルを知っている自分からしたら叱ることはルールで縛ることを正しく思うリドル自身を 否定することになるから。
何もできずにいるんだと先輩は力なく笑った。
うーん。先輩の言葉は確かにそうなんだけど、なんか違うというか。
なんて言えばいいんだろうか。