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The end of the story 【ツイステ】

第6章 Crazyパーティー!




「オレ様の活躍も凄かっただろっ!」
「はいはい。グリムも凄かったと思うぜ」
「むきーっ!なんかエースに言われると馬鹿にされてるみたいでムカつくんだゾ!」
「はぁ?!なんでだよ、ちゃんと褒めたじゃん!」

べしべしとエースの腕に向かってパンチをするグリムをエースは払いのけた。こんな状況だってのにワーワーと騒ぐエースとグリムに苦笑しながら教室に向かった。


***

「あ……」
「!キミ、は……」

まさかこんなに早くフラグ回収するなんて思わないよね。
相手もここで会うとは思わなかったのか目を大きく見開いてこちらを見ていた。

「こん、にちは。先輩」
「あ、あぁ」

赤い髪をふわりと揺らす先輩は何やらたくさんの本を抱えていた。気まずい雰囲気に正直逃げ出したい。でも、ここで逃げるのはなんか違うような気がした。
課題の調べ物のついでに放課後はここに集まるのだから小テストで赤点だった補習のグリムを置いて私は私で元の世界に戻るために調べようと思っただけだった。

「……先輩は調べ物ですか?」
「新しい論文が出たから読んでみようと思ってね。キミは?」
「私はトレイン先生から出た課題の薔薇の王国について調べていました。あのお時間よろしければ教えていただけませんか?」
「あんなことがあったと言うのに本気かい?」


困ったように眉を寄せるが、あの時約束したからと結局ちゃんと教えてくれるようだ。胸元にあるペンに目を向けるといつもは鮮やかな色の宝石がついているのに今日は妙に濁っている。
それを見ると耳元でポタリと雫が落ちる音を感じた。

「先輩…そのマジカルペン…そんな色でしたっけ?」
「ん?これは……確かにブロットで結構濁ってしまったね。しばらくは魔法使うのを控えた方が良さそうだ」
「ブロット……?」
「?そういえばキミは魔法が使えないんだったね。魔法士にとって魔法を使うと出るこのインクの染みのようなものを溜め過ぎると良くないんだ。
しばらく休憩すれば少しは消えるだろう」
「そうなんですね……」

頷くとローズハート先輩は私が手元に積んであった本を手に取る。

「この本もわかりやすいけど、薔薇の王国についてならこっちの方がいいと思う」

そう言って先輩は棚から一冊取り出して私に見せてくれた。その本には鮮やかな挿絵が付いていて国の情景の写真が至る所に載せられている。

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