The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
確かにと私も頷いた。でも、他人行儀に見えるような接し方でもトレイ先輩のローズハート先輩を見る目は他の後輩を見る目とは少し違う。
寮長だからというのではなく別の何かがあるのはユニーク魔法の話をしていた時の様子を見て察していたけれど、なるほど幼馴染。
「おみゃーがそういうならそうなんじゃにゃーの?ほいじゃあ」
「お、おい!」
「!!チェーニャさん!」
来た時と同じように突然消えていこうとするので慌てて声をかけた。不思議そうに首を傾げるチェーニャさん。
「よかったらまた今度お話ししませんか?次にお会いできた時には是非お礼させてくださいね!」
「フフ…面白い子なんだにゃあ」
ぱちぱちと驚いて目を瞬かせるチェーニャさんはクスクスと笑いながらしばらくして楽しそうな鼻歌を響かせて姿を消していった。
凄い。これも魔法かな?姿を消すことことができるなんて本当にいろんな魔法があるんだ。
でも結局どこの寮の人なのか分からなかったな。
ローズハート先輩とトレイ先輩の知り合いだってことは分かったけど。
チェーニャさんの言う通りトレイ先輩に話を聞くために放課後図書館に集まることになった。私たちの予想通りならきっとそこにトレイ先輩はやってくるだろうから。
ローズハート先輩にも会いそうで心配だけど、待ち伏せできそうな場所はそこぐらいしか思いつかない。
マロンタルトをオンボロ寮にひとまず置いていき、学園に向かった。色々とこの数時間が濃かったせいで忘れかけてたけど今日はちゃんと授業がある日だ。
「しっかし、さっきのユウの寮長へ啖呵を切った時のめっちゃカッコ良かったな」
「あぁ。確かに、聞いててローズハート寮長には悪いけど。僕もスカッとした」
「ふふ、それはどうも?私もちょっと食べ物を粗末にするのは嫌だからつい言っちゃった。あまり他寮の問題に口を挟みたくはなかったけど」
やるじゃんかとエースてデュースがぐしゃぐしゃと私の頭を撫でてくる。思わず口から出てしまったけど別に後悔はそこまでしてない。
これが先輩にとって気づくきっかけになってくれればと思ったのもあるから。