The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
エースは私の手を引っ張って自分とデュースの後ろに隠れさせた。二人の肩の間から覗き込む。
そういえばまだ名前聞いてなかったな。
私も初めて会った人だからあまりよく知らない。
「そういえばまだ自己紹介してなかった。俺はアルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカー。猫のような人のような魔力を持った摩訶不思議なやつ」
ピンクの混ざった紫色の髪に黄色の目。本人が言っているように猫なら猫の獣人さんでいいはず。
思ったより長い名前にエースは復唱しようとしてなんだったか忘れるレベルに長い。
寿限無の名前より全然マシだけど。
「みんなチェーニャって呼ぶかねぇ」
「チェーニャさん、あの迷っていたところを声をかけてくれてありがとうございます!」
「にひひ。俺は道案内は得意だからにゃ。困っている様子だったから声かけただけだにゃ。
それにしてもそのマロンタルト美味しそうだにゃー。あの眼鏡が作ったのかにゃ?」
眼鏡と言われてピンと来なかったけど、私が今まで会った中の眼鏡かけてる人は今のところトレイ先輩しかいない。
そもそもお菓子を作るひとなんて一人しか思い浮かばないが。
「眼鏡?…えーとトレイ先輩のことであってるのなら手伝ってもらいながら作ったんです」
「というかアンタ、ハーツラビュルの奴じゃないよな。見たことない顔だ」
「!エースも見たことないのか?」
「別の寮なやつならバレる前に帰った方がいいぜ。暴君の寮長に追い出されるぞ」
「リドルが暴君……まぁそう言えなくもないかもしれないけどにゃあ。ちっこい頃から真面目なやつだもんで」
ハーツラビュルの人じゃないんだ……。
チェーニャさん。もしかしてローズハート先輩のこと知ってる?小さい頃からってことは先輩の知り合いってこと?
なんだか容量の得ないチェーニャの言葉にエースとデュースは戸惑うばかり。
「君らリドルについて知りたぁの?」
「あぁ、知りたいさ!どうやって育てりゃあんな横暴に育つのか」
「エース。流石に言い過ぎ……確かにあれはちょっとムッとくるけどさ。ローズハート先輩にだって事情はあるからなぁ」
「それならあの眼鏡に聞いてみにゃあ。リドルが小さい頃からよーく知っとるよ。リドルについて知りたいなら俺ならまずあの眼鏡に聞くにゃあ」
「眼鏡……クローバ先輩のことか?」
幼馴染という風には見えなかったがとデュースが呟いた。