The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
「ふふん。もっとオレ様を褒め称えるんだゾ!」
「あ、あれは!
マロンタルト!!??」
グリムは寮生が回収しようとしたタルトを私に注目が集まっているうちに取ってきてくれた。寮生たちに奪われる前に会場から走り去る。
ふふ、上手くいった。
どうやら呆気に取られて動けない間をうまく突くことができたようだった。ぽかんと口を開いてこちらを見ている様はなんとも面白い。
***
廃棄されるくらいならとマロンタルトを取り返す作戦だったけど、グリムが身軽なおかげで上手く成功した。
「ありがとう。グリムのおかげだよ」
「とーぜんなんだゾ!でも、エースとデュースを置いてきちまったけどいいのか?」
「うん。大丈夫……二人ならこっちに来ると思うよ」
あの状況なら最悪デュースまで首輪つけられるかもだけど。
***
呆気に取られていたリドルが顔を赤く染めて、デュースに首輪をはめた。完全にとばっちりである。
「トレイ、ケイト。この二人をつまみ出せ!!」
「オレらまだ何も言ってなくね!?完全にとばっちりじゃん!!」
「くっ。首輪…結構苦しいな……」
唖然とグリムたちが会場から出る様子を見て、もしかしてオレら囮に使われたのでは。
ケイト先輩の分身であっという間に会場の外に追い出される。抵抗する暇もなかった。
「悪いな、二人とも。俺たちで寮長はなだめておくから」
「じゃーね!エースちゃんたち!」
先輩たちが手を振って会場へ戻っていく背中に向かって怒鳴る。本当に、今のは絶対謝らねー。
オレたちが作ったタルトを処分とか信じらんない。
デュースと顔を見合わせてため息をつくと、恐らく庭園の中で彷徨っているであろうグリムとユウを探しに向かった。
でも、あの寮長への啖呵を切ったときの寮長のあの顔。あれを見れたからオレたちを会場に置いて行ったのチャラにしてやろっと。
庭園内に走って入っていくオレたちには先輩たちの苦悩の声なんて聞こえるはずがなかった。
「お前さ、ほんとにこのままでいいわけ?」
「いや……俺にはどうすることもできないよ」
小さな力のない声が響いた。パーティー会場ではイライラとした様子の寮長が待ち受けていることを覚悟して寮生たちを宥めに二人は向かった。
ケイトは複雑な表情で自身の相棒を見ていたことにもトレイは気づかずにいた。